オリジナルのダンボールは夢のダンボール。自営業を始めた方なら、「いつかは自分のブランドのロゴが入ったダンボール箱で商品を届けてみたい……!」と思うのではないでしょうか。
最初に言ってしまうと、オリジナルのダンボール箱を作ることはとても簡単です。
問題はデザイン。オリジナルのダンボール箱を作るにあたり、大量に作る場合は『版』というものを作ります。この『版』は一色につき一個必要なので、多色になればなるほど『版代』がかさみます。一度版を作ってしまえば、何度も使えるのですが、また違うデザインにしたいと思った時は、『版』を作り直さなくてはなりません。
そう、オリジナルのダンボール箱を作るなら、デザインは「これだ!!」というものを決めておかないと後々後悔することになるのです……!
そこで今回は、オリジナルダンボールのデザインの作る方法、またプロに頼んだらいくらかかるのかを調査することにしました。一体、どっちが良いのか徹底的に調べてみます!
自分でオリジナルロゴを作る場合
自作でおすすめのイラストソフトは『Illustrator』(イラストレーター)
プロにお願いする場合
さいごに
○自分でオリジナルロゴを作る場合
『プロのデザイナーに自分のお店のロゴデザインを頼む』ってものすごくハードルが高そうじゃないですか……?
『プロ』というだけでも怖いのに、自分のお店のデザインをお願いして、もし気に入るデザインじゃなかったら……と思うと目の前が暗くなりますよね。
私の場合、美容室で「こんな髪型にしてほしい」という希望すら上手に伝えられないので、自分のお店のイメージをどう伝えたらいいのか悩んでしまいます。
というわけで、まずは自分でオリジナルのロゴを作る方法を調べてみました。
自分でロゴをデザインするときには、以下の手順を踏むと良いことがわかりました。
- ロゴ(自分のお店やキャラクター)のコンセプトを決める
- 簡単に自分でラフを描いてみる
- イラストソフトを使って絵をトレースする
- パターン出し
- フォントを調整する
- ロゴ(自分のお店やキャラクター)のコンセプトを決める
これができなくてはなにも始まらない!というのがコンセプト作り。
コンセプトというのは「そのブランドに対して、どのようなイメージを持ってもらいたいのか」を決めることです。自分のブランドについての軸をここで決めます。どんなイメージを持ってもらいたいのか、まずはノートに書きだしてみましょう。
例えば、ハンドメイドのアクセサリーショップなら……
ブランドのコンセプトは『一点物のアクセサリーが手に入るお店』
・かわいい
・親しみやすい
・宝石がキラキラしてる
・アクセサリーショップだとすぐにわかるロゴ
・ちいさなパールを使って楚々としたイメージを与えたい
このようなイメージから、片耳のイヤリングをロゴにしたいなと思いました。形はシンプルでパールがついているイヤリング。私のお店を利用する女性に、「ここならステキな買い物ができそう」と思ってもらえるようなロゴにしたいです。
このロゴがつくことで、お店のブランドが向上し、ダンボール箱も「捨てずにとっておきたいなあ」と思われるのが目標です。
- 簡単に自分でラフを描いてみる
コンセプトが決まったので、ラフを書いてみることにしました。
手元にあるイヤリングを見ながら、ラフを描いていきます。
- イラストソフトを使って絵をトレースする
ノートに描いたラフをパソコンのイラストソフトに取り込みます。
スキャナーが家にない場合は、スマホで画像の写真を撮って取り込む方法でも問題ないと思います!
イラストソフトに画像を取り込んだら、その下絵をなぞっていきます。そのとおりに書かずに、ちょっとずつ形を変えてみてもよいかもしれません。思わぬアイディアが浮かんできそうです。
- パターン出し
次にちょっとずつデザインを変えて、いろいろなパターンを作ってみます。
白黒を反転させたり、ちょっと傾けるだけで、がらりと印象が変わりそう。
左右対称なのをちょっとだけ非対称にしたり、線の太さを変えたり、いろいろなバリエーションを出してみましょう。
- フォントを調整する
最後にフォントを入れることになると思うのですが、ここでひとつ重大なポイントがあります。
それは『既存のフォントを使うと、商標登録できない』ということ。
商標というのは、商品をほかのものと区別するトレードマークのことです。商標権があれば、日本で独占的に使用できる権利をもらうことができます。
せっかくオリジナルロゴを作ったのに、商標登録ができなければ、誰かに勝手にロゴを使われてしまっても文句は言えないのです……。そんなのいやですよね!
そのため、できればオリジナルデザインに使うフォントはオリジナルのものを用意しましょう。
商標登録はお金もかかるので、ちょっと躊躇しちゃいますが、自分のブランドのロゴを勝手に使われたときのことを考えたら……。後悔しないように行動したいですね!
○自作でおすすめのイラストソフトは『Illustrator』(イラストレーター)
実際に使いやすい!と評判なのはillustrator。「イラレ」とも略され、プロのデザイナーや企業が愛用していることで世界的に有名なソフトです。
Illustratorは、イラストを書くことはもちろんのこと、文字の装飾やデザインなどをすることができます。
具体的にはこんなことが得意です。
・illustratorでできること
- 様々な形が書ける
長方形や楕円形ツールなどを使えば、曲線や直線など、頭に浮かんだ図形を簡単に描くことができます。感覚的に書けることはもちろんですが、数値を入力することでより正確に形状を描くこともできます。
- 形を自由に編集できる
illustratorで描いた形は自由に変形できるほか、拡大・縮小、回転や反転、合成、くり抜き、色付けなどによって自分でも想像していなかったイメージを得ることができます。
- バラバラのオブジェクトを整列させることができる
オブジェクトは、整列ツールを使えば、均等に配置したり、同じ直線状に配置するなど、自由に配置させることができます。
- テキストを自由にレイアウトすることができる
Illustratorのソフトで作ったテキストは書体を変えたり、行間や行揃えが可能です。
色を変えたり、影をつけたり、3D風にしたり……と、デザインの幅がぐっと広がります。
- 自在にイラストが描ける
illustratorはペンツールを使えば、ノートに鉛筆で書くようにイラストを描くことができます。
Illustratorは、□や○などの形をシェイプ形成ツールで作ることができるので、それを使えば簡単なイラストから複雑なものまでマウスだけで作ることが可能です。例えば、あの有名なドラえもんの絵も、シェイプ形成ツールだけで作ることが可能なんですよ!
・illustratorの最大の特徴とは
Illustratorの最大の特徴にして、一番のメリットでもあり、デメリットでもあること……それは、illustratorで描いたイラストや文字は『ベクターデータ』で作成されるということです。
ベクターデータとは、どんなに拡大しても縮小しても画像が劣化することがないベクターデータで作成されます。ベクターデータで作られた画像を一言で言うと、『どれだけ拡大縮小しても画質が荒くならない』ということ。小さな点の集合体でにじみやボケを表すラスターデータは拡大すればするほどひとつひとつの点が目立ち、劣化して見えますが、ベクターデータはそれがありません。しかし、逆に言えば、にじみやボケによって写真のような複雑な色合いを出すことは苦手なんです。
そのため、illustratorはロゴ作成に向いていますが、写真の加工や編集に向いているのはPhotoshopのようなソフトになります。
○プロにお願いする場合
次はいよいよ『プロのデザイナーに相談する』方法です。
『プロのデザイナーにお願いする』というと、ものすごく敷居が高いように感じますが、現在は『プロ』と『頼みたい人』を簡単に結んでくれるクラウドソージングのサービスが充実しているので、このサービスを使えば、簡単にプロの方と出会うことができます。
・クラウドソージングとは
クラウドソーシングという働き方がはじまったのは2005年のこと。クラウドは「crowd」=「群衆」と「sourcing」=「業務委託」を合わせた造語が「crowd sourcing」というわけです。
特定の業者に外注して、業務を行ってもらうことを『アウトソーシング』と呼びます。クラウドソーシングは、不特定多数の外部の人々に業務を発注する、という意味なのです。
ざっくりと言うと、クラウドソーシングとは、『仕事を頼みたい人』と『仕事を請け負う人』をウェブ上でマッチングするサービスのこと。
ロゴデザインの話に戻すと、クラウドソーシングサービスを使って業務をお願いした場合、プロのデザイナーさんとスカイプやメールを使って、オンライン上で打ち合わせをします。
そして、納期や仕事内容の確認が終わったら、プロのデザイナーさんが納期までに仕事をこなしてくれます。
有名なクラウドソージングのサイトは以下のようなところです。
・ランサーズ
・クラウドワークス
・ココナラ
ランサーズとクラウドワークスは企業向け。ココナラは一般の人でも使いやすい雰囲気になっています。
ランサーズとクラウドワークスでお仕事を依頼する場合、発注側である私たちが『ロゴデザインを募集しています』というページを作る必要があります。そして、「5000円で募集します」といったようにこちらで金額も決めます。そして応募者の中から任せたい人を選ぶ……という感じです。対してココナラは、受注者が金額を決めて「○○円でロゴデザインを作ります!」というように発注者を募集します。
両者のメリット・デメリットを以下、まとめてみました。
ランサーズ&クラウドワークス……
メリット:自分が発注したい金額で募集することができる。応募してきたデザイナーのサンプルを見ながら、「この人に任せたい」という人を選ぶことができる。また、コンペ(課題を出して複数の設計者に競わせること)を行うこともできるので、できあがったデザインの中からもっともよいと思ったものだけにお金を支払うことができる。イメージ通りのデザインを得ることができる可能性が高い。
デメリット:自分で発注ページを作らなくてはいけないので、事前にどんなロゴデザインにしたいのかイメージを具体的に書く必要がある。また、発注する際の金額が低すぎると応募しても応募者がゼロという場合も……。高額で依頼する場合、多くの応募者の中から選べるが、逆に低い料金でお願いする場合は不利。
ココナラ……
メリット:受注者が「○○円でロゴデザインを作ります」と明記しているので、頼みやすい。受注者が仕事をする条件(例えば、『3回まで直しOK』というものなど)を出しているので、それに納得できれば、簡単にお願いすることができる。
デメリット:最初にできあがったロゴを見てからお金を払うわけではないので、納得できないものになる可能性もある。
実際にランサーズやクラウドワークスで募集されていたロゴデザインの相場とココナラで募集されていたロゴデザインの相場を調べてみました。
ランサーズ&クラウドワークス……ロゴデザインのコンペの場合(2万円~20万円)
プロジェクトの場合(3万円前後)
コンペの場合、2万円くらいで募集すると60件前後。5万円を超える案件には100件前後のデザインが集まっていました。コンペの料金がすごく高くて、プロジェクトはすごく安いのかな?と思っていましたが、そんなに価格差はないようです。プロジェクトの場合、最終的にお願いする人が限られているので、実績がないデザイナーさんたちは採用実績を作るためにも多数のコンペに作品を応募しているようです。
ココナラ……ロゴデザイン(2万円~15万円)
ココナラの場合、デザイナーとして実績がある方は高額で設定されていました。15万円の方は、有名ブランドやアーティストの提供実績もあり、海外のデザイン賞で何度も受賞されている方でした。プロフィール画面でデザイナーさんが以前作ったサンプルを見ることもできるので、「この人にお願いしたい!」という方に頼めるのが魅力です。
○さいごに
自作で納得のできるロゴデザインを考えるのも楽しいですし、プロにお願いして一生もののロゴデザインを考えてもらうのも夢が広がりそうです。うーん、甲乙つけがたい!!
皆さんのオリジナルダンボール箱がステキなものになるように、応援しております!