オリジナルのダンボール作り。わくわくする響きですよね。
ダンボールにオリジナリティを出す、もっとも簡単な方法は『ダンボールの表面に印刷すること』。
「そんな莫大なお金、ないよ……!」
そんな皆さんの声が聞こえてきそうですが、実はダンボールへの印刷は工夫次第でぐっとお安くなるんです。
そこで今回は夢のオリジナルダンボールを作るために、印刷方法や値段についてまとめてみました!
ダンボールに印刷するメリット
ダンボールの印刷の種類
さいごに
○ダンボールに印刷するメリット
ちまたにあふれているダンボール箱。スーパーの飲料水コーナーに行けば、印刷入りのダンボール箱がずらりと並んでいます。「コカ・コーラ」「アクエリアス」「お~い、お茶」……。すぐに「これこれ」と商品を手にすることができますよね。
ふだんわたしたちは、この状況に慣れてしまって「あ、ダンボールに印刷してある!すごい!」と思ったりしないわけですが、もしこのペットボトルの入っているダンボール箱が全部ただの茶色だったら……と想像してみてください。スーパーの店員さんもわたしたちも大混乱です。このように、印刷入りのダンボールには『中の商品を保証する』という大事な側面を持っています。
それだけではありません。印刷されたダンボールには以下のメリットがあります。
・社名やショップ名をお客さんに覚えてもらう
テレビのコマーシャルに企業が莫大なお金をかけているのは、繰り返しCMを流すことで、お客さまに企業名や商品を覚えてもらうため。わたしもスーパーに行ったとき、「あ、これCMやってたやつだ~」とよく新商品を手に取ります。
社名やロゴをダンボールに印刷すると、このようなCM効果を与えることができます。印刷入りのダンボール箱はインパクトがありますから、お客さまに強く印象を残すことができます。
・イメージが良くなる
印刷付きのダンボールは、特別感があります。なにも書かれていない茶色のダンボールに入った水と、『六甲のおいしい天然水』と印刷されてあるダンボールに入った水。皆さんならどちらを買われますか?美しくパッケージされた商品を手に取りますよね。印刷入りのダンボールは中の商品イメージをぐんとあげてくれるんです。
・信頼してもらえる
とくに、顔が見えないネットショップは信頼してもらえないと利用してもらえません。レスポンスを速くする、すぐに商品を送る、丁寧に梱包する、ということに加え、ダンボールが印刷入りだと、「この会社は安心だ」と思ってもらうことができます。お客さまは「この会社は信頼できるから、次もここで買おう」とそのネットショップをお気に入り登録するでしょう。
○ダンボールの印刷の種類
『ダンボール印刷』といっても、やり方はひとつではありません。ダンボールに直接インクを噴射するインクジェット印刷、ゴム版を使用するフレキソ印刷、厚紙に印刷してから合紙してダンボールにするオフセット印刷……と、さまざまなやり方があるんです。
もちろん、その方法によってコストも変わります。
以下、それぞれの印刷の特徴やコストをまとめたいと思います。
★まずは覚えよう!『版代』のこと
ダンボールに印刷する従来のやり方は、印刷する際『版』を作るものでした。
印字するため原稿データを作成したあと、アルミ製の板に原稿データを写して、印刷用の版(板)を作るのです。
印刷用の版は、一色につき1版必要になります。そのため、デザインに使用する色が増えれば増えるほど、版を作るお金がかかります。印刷面積分の大きさのゴム版が必要になるので、印刷面積によって、版代が数千円から十万円を超える物までかなりの幅があります。 印刷精度新旧の比較版を作成するときにかかる費用を『版代』といいます。
版のよいところは、一度作ってしまえば、2回目以降同じデザインで印刷を頼んだ場合、版代がかからないこと。少部数の印刷には向いていませんが、大量に印刷する場合は版を作ってしまったほうが安くなるのが特徴です。その昔はこの『版』を作って刷るという方法しかありませんでしたが、現在は版を使わない印刷方法も増えました。
・インクジェット印刷
インクジェット印刷は、デジタルデータを元に、直接プリンターのヘッドからインクを噴射します。そう聞くと、なんだか雑な模様しかできないような感じがしますが、そんなことはありません。とても細かく、インクを霧状に噴射するので、細かい模様もきちんと再現できます。家庭にあるプリンターでも、価格の高いものを使うと写真もキレイに印刷できますよね。あれもインクジェット印刷です。
デジタルデータを元に、直接プリンターに吹き付けるので、版は作りません。少部数印刷したいというときにぴったりです。ラミネート加工などをすることにより、防水性や高級感を高めることができます。
おすすめのロット数 1~500箱程度
・フレキソ印刷
フレキソ印刷は、凸版印刷と呼ばれる印刷方法です。ゴムや樹脂などの弾力のある物質でできた版に液状のインクをつけて印刷します。
詳しく説明すると、まず凸型のハンコの表面にローラー(ユニコーロールと呼ぶ)でインクをつけ、その版をダンボールに押し付けて転写していくという方法です。
昔からある印刷方法ですが、昔の印刷機に比べ、現在の印刷機は解像度がまったく違います。より繊細な表現ができるようになっています。
その昔、フレキソ印刷はゴム版が7㎜ほどあるのが普通だったので、その厚みのせいで繊細な印刷がしにくいと言われていました。現在の最新のフレキソ印刷はゴム版の厚さが半分以下になっているので、より細やかな印刷が可能となっています。
また、フレキソ印刷は水性のインキを使用しているという特徴があります。印刷する工程で、大気を汚すことがないため、環境にも優しいです。
おすすめのロット数 1000~1000
・オフセット印刷
オフセット印刷はフルカラー印刷にぴったりな印刷方法です。4色のインク(CMYK)を使って印刷をほどこす方法で、版を使います。この版は印刷する面積の大きさではなく、印刷するダンボール箱の面積になるので、大きなダンボール箱に印刷する場合は、版代もぐっと高くなります。
「オフセット」と呼ばれる由来は、『版についたインクをゴムローラーなどでオフし、ゴムローラーから印刷する紙にインクをセットすること』 から。オフとセットでオフセット印刷と覚えておいてくださいね!
オフセット印刷の良いところは、その発色の良さ。フルカラーで鮮やかに色合いを表現したいときに向いています。インクジェットプリンターやレーザープリンターよりも繊細に、まるで写真のような美しい印刷ができるのが特徴です。
ちなみに、オフセット印刷で作るダンボールは独特です。オフセット印刷は印刷時に強い圧力をかけて印刷するので、ダンボールに直接印刷するのではなく、一度、厚紙に印刷してから片面ダンボールと印刷した厚紙を合体させる「合紙」という工程をたどるのです。ちなみに、版代の制作コストがかかるので、小部数の印刷には向いていません。逆に大量に印刷する場合はおすすめです。
★気になる価格の話
オフセット印刷は、金額は大体20~30万円かかるのが相場です。1000箱以上作る場合も1000箱以下で作る場合も価格がそれほど変わらないので、たくさん作る場合におすすめです。
その昔、わたしが立派なオタク少女だった頃、フルカラーのオフセット印刷は憧れの的でした。中学生のおこづかいでは大量にグッズを作るお金がなく、泣く泣くあきらめましたが、その美しい印刷にほれぼれしたものです。
・箔押し印刷
箔押しは金や銀などのメタリックなカラーを印刷する方法です。金属で作った凸版を使います。金や銀などの箔はとにかく美しいので目を引きます。ワンポイントいれるとダンボールに一気に高級感が増します!
難点はただひとつ。大きな面積の印刷には向いていないということ。その理由は、印刷する面積によって版代が高額になってしまう、ということもあるのですが、箔押しはグッと圧力をかけるので、印刷面がへこんでしまうからです。ダンボールに箔押しをする場合は、ダンボールの段(スジ)が目立ちやすいので、ワンポイントがやっぱりおすすめです。
おすすめロット:100~1000箱
・シルク印刷
シルク印刷は、シルク版という版を使って単色で印刷します。孔版をスクリーンとしてダンボールに覆い、孔からインクを付けて印刷します。シルクスクリーンとも呼ばれます。
シルク印刷と呼ばれる理由は、最初のころ、『木枠に絹(シルク)を張ったものに裏から型紙を張り、これを印刷面に当てその上からインクを付けて行っていた』ためなのだとか。当時は絹(シルク)を使っていましたが、現在は版素材のほとんどはナイロンやステンレス鋼ができています。
単色でくっきりとインクを載せたいときは、シルク印刷の出番です。白色や淡い色もはっきりとした色で印刷することができます。
おすすめロット:100~1000箱
○さいごに
自分の顔写真入りのダンボール箱を作ってみたい……という要望も、もちろんOKです!びっくりするほどキレイな顔写真入りのダンボール箱を作ってもらえると思います。
身近な人にサプライズで、その人をイメージしたダンボール箱を作ってみるのもおもしろそうですね。
ダンボールに印刷というと、難しそうなイメージがありますが、ダンボール会社の方が親切に教えてくれるので「この面にこのイラストを。この面にはこのイラストがいいです」と希望を出せば、イメージ通りのダンボール箱を作ってもらえます。見積もりだけでも簡単に出してもらえるので、ぜひ見積もりをお願いしてみてください。印刷したい色が何色なのか、部数はいくらなのかを伝えれば最適な印刷方法を教えていただけますよ!