将来、ダンボールの価格は上がる? 下がる?

ダンボールの価格

物価の上昇は、私たち消費者の頭を悩ませ、容赦なく懐を攻撃してきます。

どの商品も、なるべくならお値段すえおき、できれば値下げしてもらいたいものですよね。

 

身近な存在であるダンボールの価格も、どうか上がらないで! と願うばかりですが、この先一体どうなっていくのでしょう。

【目次】
現在までのダンボールの価格推移って、どうなってるの?
ダンボールの価格変動の原因は、中国にあり?
ダンボール価格のこれから
ダンボールのために、私たちにできる事とは

スポンサーリンク

【現在までのダンボールの価格推移って、どうなってるの?】

ダンボールの価格は、古紙の価格に影響されます。

それというのも、ダンボールの原料のほとんどが、古紙だからです。

 

古紙と一口に言っても、新聞古紙、雑誌古紙、ダンボール古紙と分別されます。

ダンボールに使われるのは、使用済みのダンボールから作られる「ダンボール古紙」です。

そう、役目を終えたダンボールは、リサイクルされて、再びダンボールに生まれ変わるのです。

 

予備知識をつけたところで、まずは

関東製紙原料直納商工組合(http://www.kantoushoso.com/index.php)のホームページに掲載されている、「関東地区の古紙価格ならびに古紙輸出価格の推移グラフ」を見てみましょう。

 

・関東地区の古紙価格ならびに古紙輸出価格の推移グラフ

http://www.kantoushoso.com/jyukyuu/files/price2019may.pdf

 

どの種類の古紙も、同じような折れ線を描いていますね。

 

グラフからざっくりと読み解くと、関東地区のダンボール古紙の価格は、2000年1月が1トンあたりおよそ7千円ですが、2019年1月には、1トンあたりおよそ1万8千円になっています。

19年で約1.6倍、1万1千円もの値上がりです。

 

公益財団法人古紙再生促進センター(http://www.prpc.or.jp)のホームページには、グラフではなく数字の一覧が載っていました。

・関東地区 主要古紙価格推移表

http://www.prpc.or.jp/wp-content/uploads/kakaku.pdf

 

こちらによると、2014年1月のダンボール古紙販売価格は、1トンあたり1万5千円~1万6千円、2019年1月には1万8千円となっています。

ここ5年で、2~3千円も値上がりしたようです。

 

こうした値上がりの背景には、近年のネットショッピングやネットオークションの台頭が関係しているであろう事が、容易に推察できます。

 

何か他にも値上がりに関係するファクターがないか、別の資料も眺めてみましょう。

 

・統計資料一覧

http://www.prpc.or.jp/document/

 

こちらの統計一覧のタイトルを見ると、「中国古紙輸入統計」等、ところどころに「中国」の文字があります。

 

ということはつまり、中国へダンボール古紙を輸出しているせいで、国内供給が足りず、価格の上昇を招いているのでしょうか?

【ダンボールの価格変動の原因は、中国にあり?】

経済大国である中国の、2018年のGDP(国内総生産)は、アメリカに次いで世界2位となっています。

経済の状況が良いと、物流も活発です。

そして物流が活発という事は、ダンボールの大量消費にもつながるでしょう。

 

これはもう少し、中国のダンボール事情を深追いしてみたほうがいいかもしれません。

 

ネットで情報を探っていると、東京新聞のこんな記事を見つけました。

「段ボール、値上げの波 貿易摩擦で米から輸入減 中国が日本の古紙「爆買い」」

https://www.google.co.jp/amp/amp.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201901/CK2019011302000128.html

 

米中貿易摩擦については、ニュースでたびたび流れていますね。

両国はそれぞれに、制裁関税に報復、さらにそれに対して報復で関税を……といった、我慢比べのようなドロ試合のような、もやもやする経済外交を行っています。

 

簡単に噛み砕いていうと、

「アメリカが古紙ダンボールに高い税をかけたから、中国はアメリカ以外のよその国から古紙ダンボールを買いつけるようになった」

という事です。

その「よその国」として白羽の矢を立てられたのが、我が日本国。

日本の古紙は、他国と比べて混入物が少なく、質が良いといわれているのです。

 

2018年の古紙概況によると、日本国内のダンボールの入荷量は、およそ899万トン。

それに対し、消費量はわずかに上回り、905万トンでした。

自国内で、生産と消費のバランスがほぼ取れていますね。

 

それなのに、横から札束をチラつかされ、

「ソレちょっとわしにも分けて~な。金ならなんぼでもあるんやで」

などと囁かれ、思わず飛びついてしまったら────。

言わずもがな、国内の生産と消費のバランスが崩れます。

 

売り手側からすれば、高く買ってくれる海外の取引先に売りたいのは、当然の事です。

日本国内で売るはずの分を、喜んで海外のお客さんに流してしまいます。

国内の買い手も、事業を存続させるために必死です。

ちょっと値上げされてしまったとしても、応じる他ありません。

辛いところですね。

 

────と、ここまでお話しておいてなんですが、実は上記の記事は、2019年1月13日のものなのです。

そのわずか3ヶ月後、2019年3月13日に出た記事を見ると……なんと、状況が逆転している事が分かりました!

 

「中国のごみ輸入禁止が原因、日本で古紙価格が急落=5年4カ月ぶり低水準―中国メディア」

https://www.google.co.jp/amp/s/www.excite.co.jp/news/article-amp/Recordchina_20190313008/

 

こちらの記事の内容をかいつまんで説明すると、中国が破棄物の輸入を制限した影響で、輸入元である日本の古紙価格が大幅に下落した……との事です。

 

さらに中国は、2020年には古紙輸入を全面禁止にしようとしています。

 

このように、ダンボールの価格変動は、中国経済と密接につながっています。

しかしながら、中国だけが原因だとは言い切れません。

中国への関税強化を押し進めるアメリカにも、関係があります。

 

また、他国からの影響だけでなく、日本国内の情勢も、ダンボールの価格に関係します。

 

2019年の夏は、みなさんもご存知の通り、長雨が続き日照不足が危惧される、いわゆる冷夏でした。

その影響で、飲料が売れなかったり、青果物の収穫量が減ったりという問題が起きていました。

飲料も青果物も、ダンボールに入れられて輸送されます。

つまり冷夏の影響で、ダンボールの使用量も減ってしまったという事です。

 

ダンボールの価格ひとつを取っても、さまざまなファクターが複雑にからみ合っていて、経済って本当に奥が深いですね。

【ダンボール価格のこれから】

来たる2020年、大のお得意様である中国に、古紙輸入を完全に停止されてしまったら、日本国内のダンボールの価格はどうなるでしょう。

 

深く考えなくとも分かりますよね。

売れるはずの商品、つまりダンボール古紙が大量に余り、価格が下落します。

 

原料が安くなる分、ダンボールも安くなる可能性があります。

 

けれど、例えば冷夏の反対の暑夏に見舞われ、国内の荷動きが活発になれば、当然ダンボールの需要が増えて、価格上昇を招くかもしれません。

 

もしかしたら、ダンボールに代わるか、もしくはそれ以上に低コストで丈夫な素材が開発されて、市場がまるっきり取って代わられるかもしれません。

 

たらればを挙げたらきりがありませんが、要するに────将来ダンボールの価格が上がるか下がるかは、「読めない」と結論づけするしかなさそうです。

【ダンボールのために、私たちにできる事とは】

いち個人がどれだけ頑張ろうとも、ダンボールの価格に影響を与える事など、できそうにありません。

なにしろ相手は、海外の大国であったり、気象だったりするのですから。

 

しかし、本記事の初めの方に書いたように、「役目を終えたダンボールは、リサイクルされて、再びダンボールに生まれ変わる」のです。

ダンボールのリサイクル循環には、企業のみならず、多くの個人からの協力が必要不可欠なのです。

 

私たちは小学生の頃から、

「限りある資源を大切に」

「リサイクルは地球にとって、とても大事」

と教えられてきました。

夏休みには環境ポスターなるものを描かされる宿題なんかもありましたね。

 

だからといって、廃ダンボールは絶対に資源ゴミの回収日に出さなければならない! というわけではありません。

 

ダンボールのように、物から物へリサイクルする手法を、「マテリアルリサイクル」と呼びます。

 

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、直訳すると、

・マテリアル=物

・リサイクル=再利用

……となります。

 

他にも「サーマルリサイクル」と呼ばれる手法があります。

サーマル(熱)のリサイクル(再利用)。

要するに、ゴミを燃やす際に出る熱エネルギーを使ったリサイクル手法です。

 

ゴミ処理場に温水プールが併設されているケースを全国各地で目にしますが、それもサーマルリサイクルの一環です。

他にも、火力発電に利用されたり、冷暖房エネルギーに使われたりもします。

 

廃ダンボールはマテリアルリサイクルだけでなく、燃えやすいのでサーマルリサイクルにも活用できます。

 

そのため、たとえ燃えるゴミの日に廃ダンボールを出したとしても、罪悪感を覚える必要など、まったくないのです。

 

私たちがすべき事は、廃ダンボールを資源ゴミの日に出せるなら出す事が第一です。

けれど、都合がつかなかったり、体調が悪くて収集日に出せない場合などには、可燃ゴミの日に出しても、全然問題ありません。

汚れのひどい廃ダンボールも、可燃ゴミとして出してしまって大丈夫です。

 

無理をせず、できる事からコツコツとやればいい────というよりも、ただ普通に過ごせばいいだけですね。

 

なるようにしかなりませんので、ダンボールの価格の上がり下がりに一喜一憂したりせず、気楽に構えましょう!

Privacy Preference Center

タイトルとURLをコピーしました