さあ、皆さん、平べったいダンボールシートを思い浮かべてみてください。
どっちがオモテでどっちがウラか分かりますか?
組み立てられた状態だと、外側がなんとなーくオモテだろうな、と分かりますが、平べったいシートの状態だと混乱してしまいますよね。だって、そんなこと一度も考えたことがないもの!という声が聞こえてきそうです。
今回は、『ダンボールの材質を知ればショッピングが怖くない』というのがテーマです。
この記事を読んだら、皆さんのダンボール知識もググッとあがります。もう通販でぺらぺらのダンボールを買ってしまうこともなくなりますよ!
「ダンボール」――はじめてその言葉を聞いたとき、皆さんは何語だと思いましたか?
『ボール』ってついてるし、英語かな?と思われた方も多いのではないでしょうか。実はこの『ダンボール』という言葉は日本語です。
日本で初めてダンボールを作った、井上貞治郎さんという人が名付けたものです。
『ダンボール』は、『段ボール』のこと。
ダンボールの断面を見ると、真ん中にナミナミの厚紙が入っていますよね。これが階段状に見えるということと、ダンボールの紙はボール紙で作られたことから、『段』と『ボール』を合わせて『ダンボール』という名前にしたのだそう。
ちなみに英語では『corrugated cardboard』といいます。発音したものを聞いてみましたが「コーゲテッディドカー(ド)ボード」とまったく聞きなれない言葉でした(笑)。
『corrugated』とは「波形の、ひだのついた」という意味。『cardboard』は「厚紙」という意味なので、直訳すると『ひだのついた厚紙』という意味なんですね。
ダンボールの表面をはがすと出てくるナミナミの厚紙。あのふしぎな形が考案されたのは1859年のことでした。イギリスの紳士が、貴族が着ている服の襟元を見ていて「あんなふうに厚紙を波状に折ったら、丈夫な紙ができるのかな……?」と思いついたのです。
果たしてこのアイディアは大成功でした。ナミナミの形の厚紙で包むと、中のモノを優しく包むことができたのです。この丈夫な厚紙のウワサは海を越えて、アメリカまで届きました。当時のアメリカでは壊れやすい電球をどう包めばいいのかみんなが困っていたのですが、ナミナミの厚紙を使うことで問題は解決しました。こうして、ナミナミの紙は『モノを包む優秀な紙』として日本にも伝わることとなります。
ダンボールの名付け親、井上貞治郎さんは、この厚紙をさらに丈夫にするために「機織り機のように厚紙を貼り合わせたらどうだろう?」と思いつきました。
こうして、ダンボールはナミナミの厚紙を2つの丈夫な厚紙で挟む、という現在の形になりました。
基礎知識を読み終えた皆さんは、『ダンボールとは、板になる紙2枚の間にナミナミの形に加工した厚紙を挟んで密着したもの』だということが理解できたと思います。この状態のことを正式名称では『ダンボールシート』といいます。
あのミカン箱のような形のダンボール箱はダンボールシートを箱の形に切って組み立てたものです。
ダンボールを支えるこの3つの厚紙にはそれぞれ名前がついています。
板になる紙2枚……『ライナー』と呼ぶ。表ライナーと裏ライナーの2つで『中しん』を挟む
ナミナミの厚紙……『中しん』と呼ぶ。
さらに、ライナーと中しんの3つが合わさったものをフルート(段)と呼びます。
中しん、ライナー、フルートと専門用語で呼ぶことには意味があります。
製紙会社さんがダンボールシートに『K5AF』などと名前を付けるときに役立つのです。
暗号のような名前ですが、この言葉は『表ライナー/中芯/裏ライナー フルート』の順にあわされています。『K5AF』とは、『K180g/S120g/K180gAF』ということ。
Kが表ライナーの紙の重さ、Sが中しんの紙の重さ、Kは裏ライナーの紙の重さ、最後のAFというのは『A』という種類のフルートですよ、という意味です。
中しんは120gの重さの紙を使うのが標準なので、120gのものを使う場合は中しんの表記を抜かして『K5/K5 AF』と表記します。さらに表と裏のライナーが同じ材質なので、こちらも省略してしまって『K5AF』で通じます。
紙を作る現場にいる人たちは、この数字を聞いただけで「ああ、これは薄いダンボールシートだな」とか「厚くて丈夫なダンボールシートだな」と正確に理解することができるというわけです。
ここからは、ダンボールのライナー、中しん、フルートの材質についてさらに詳しく説明していきます。
まずはライナー。
ライナーはD、C、Kの3つの紙の種類と重さで区別されます。D、C、Kの3つの紙は古紙の含有率の差です。
Kライナー……クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)
Cライナー……ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)
Dライナー……ジュートライナー(古紙含有率100%)
(こちら、表にお願いします)
級 名称 グレード 価格
A級 Kライナー 高 高
B級 Bライナー
C級 Cライナー
D級 Dライナー・NCライナー 低 安
パルプの配合量によって等級が分かれます。Dライナーが最も弱いライナーであり、加工時に「割れ」が発生しやすくなります。
ライナーを表すもうひとつの基準は『重さ』。これは『紙の厚さ』の違いともいえます。厚さは重さ(斤量)で決定します(1平米あたりの重量=g/㎡)。
斤量は正式には 【g/㎡】 と表記しますが、単純に4、5、6、7と1桁の数字で表されることが多いです。
その理由は、日本でダンボールシートが作られ始めた1909年、日本人は「g」で重さを表していなかったから。当時の日本人は、尺貫法の『匁』(もんめ)で重さを表していました。そのため、1もんめ(=3.75g=5円玉の重さ)という当時の測り方がいまも残っているのです。
例:4匁(もんめ)=130g/㎡ 、5匁(もんめ)=170~180g/㎡ 、6匁(もんめ)=220g/㎡ 、7匁(もんめ)=280g/㎡
この重さの単位と、紙質を合わせ、K180(Kライナーの180g/㎡)というように、ライナーを表示します。もんめの単位により、K5と呼ばれたりもします。
D4<C5<C6<K5<K6<K7と6種類のライナーがあるものの、現在使用されているのはC5・K5・K6の3種です。
ナミナミの形の部分にあたる中しんの板紙は、『印刷をしないぶん、ライナーで使う紙よりも落ちた紙質』であること。『波状に加工するので、折り曲げやすくて接着性もよいもの』が使われます。
重さで表すと、通常の中しんは、斤量は115~125g/㎡のものを使います。標準の中しんは『120g』となっています。ダンボールを購入したときに、材質表示に中しんの記載がないときには「120g」のものが使われていると思ってくださいね。
中しんの種類は標準の120g/㎡のほか、160g/㎡、180g/㎡、強化180g/㎡、強化200g/㎡と厚さが変わっていきます。
(表にお願いします)
等級 名称 グレード 価格
A級 セミ芯 (パルプ100%) 高 高
B級 準セミ芯 (パルプ+古紙)
C級 準セミ芯 (パルプ+古紙)
D級 強化特芯 (特芯+強化剤)
E級 特芯 (オール段古紙) 低 安
注:ライナーと同様にパルプの配合量によって等級が分かれます。
ちなみに、『強化』と表記されているものは特殊な薬剤に漬けて紙を固くしています。
ただし、この『強化』はライナーとのバランスを考えないといけないので、「とにかく固くすればOK」というわけではありません。たとえば、中しんを200gの強化にすれば強度はばっちりですよね。だからといって、ライナーをペラペラの材質のものにしてしまうとライナーの表面がぼこぼこになって、うまく印刷できなくなるんです。また、ダンボールシートを折り曲げたときにライナーが中しんの硬さに負けてしまって割れたりします。
わたしたちがふだん使ってるダンボール箱はライナーと中しんのバランスを見て作られたものというわけなんですね。
表ライナーと裏ライナーで中しんをはさんで接着する。この工程を行うために、製紙工場では100mもの長さがあるコルゲータという貼合機(てんごうき)を使います。
こうして段になったものをフルートと呼びます。
ダンボールはフルートの厚みや種類によって、質感が全然違ったものになります。
たとえば、シングルフルートとダブルフルート(フルートを2段にして接着したもの)ではまったく厚さが違います。以下、フルートの種類をまとめてみました。
注:フルートの種類は、ナミナミの形が30㎝あたりにどのくらい入っているのかによって種類分けされています。
Aフルート……ダンボールの標準的なののがAフルートで作られています。シートの厚さは5㎜。30cm内になみ模様が34±2個になるものとされています(前後2個までの誤差はOK)。引っ越し用のダンボールとして使いやすい厚さです。
Bフルート……Aフルートより薄く、切れ込みや折り込みを入れることができます。厚みは2.5~2.8mm、30cmあたりのなみ模様の数が50±2個になるものとなっています。パソコンなどの緩衝材として使われることも。
Cフルート……欧米をはじめ世界のほとんどの国で主流になっているもの。Aフルートよりも20%ほど薄くなっています。薄い分、厚さは約3.5~3.8mm、30cm内になみ模様が40±2個になるもの。薄い分、保管しやすい利点があります。
Wフルート……AフルートとBフルートを貼り合わせたもの。AフルートとBフルートを合わせて8mmになるもの。主に海外に向けて発送する商品に使う。
Eフルート……Eフルートは厚さ1.10~1.15mm、30cm内になみ模様がおよそ95±5個と定められているもの。薄くて軽いので、ギフト箱などの外装箱に使われることが多いです。
Amazonなどの通信販売サイトでダンボールを検索してみると「思っていたものと違った」というレビューをよく目にします。多くの人は、ダンボールの写真と商品説明でそのダンボールの購入を決めるので『引っ越し用と書いてあったから丈夫なダンボールだと思っていたのにぺらぺらだった!』とか『写真では大きそうだったのに届いて見たら小さかった』というような齟齬が生まれてしまうのだと思います。
そんなときに、この記事で得た知識が役に立ちます。
わたしたちはもうダンボール選びのプロ!製紙会社の人のようにダンボールの材質表記を見ればどんな厚さのダンボールなのか分かってしまうのです。
さっそく、通販で売っているダンボールを見てみましょう。
ダンボールキング 段ボール 160 サイズ 5枚 セット 引っ越し 梱包 自社工場直送 オリジナル 超強化 ダンボール
こちらのダンボールは「丈夫だった!」という人と、「全然丈夫じゃない」という2つのレビューがあったものです。
以下、悪かったレビューを引用したいと思います。
『薄すぎ。超強化に騙されないでください!!コンビニでもらったペットボトルの段ボールの方が何倍も厚く丈夫です。160サイズでこの薄さ、使い物になりません。室内で動かしただけでもう変形しまくり。
海外引越用でしたが時間が無い中買い直しです。超強化はウソ。ハリボテ。材質が柔らかすぎ』
『超強化ダンボール』と言われるとものすごく丈夫なダンボールのように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。
このダンボールの材質は『 K5×K5 中芯強度 弊社オリジナル強化120g強化使用 Cフルート(4mm)』と書かれていました。
K5のライナー、中しんは120g、Cフルート(4㎜)ということですね。
Kライナーなのでグレードは高いものの5匁(もんめ)=170~180g/㎡ですから、厚さはそれほどでもありません。D4<C5<C6<K5<K6<K7の順に強度があがるので、K5ライナーは強度的には中程度のライナーであることが分かります。
次に中しん。こちらは会社オリジナルの強化がほどこされている120gのもの。強化がどれほどのものかはわかりませんが、中程度のライナーで挟んでいることと、標準の重さの中しんであることから、さほど硬いわけではないようです。
最後にフルート。こちらはAフルートよりも20%薄い、Cフルート。この情報から、「分厚いダンボール」ではないことが分かります。
ダンボールの素材を知れば、もう通販も怖くありません。「ふむふむ、これはAフルートか。ならよさそう!」こんなふうに素材表示からそのダンボールがどんなものか知ることができます。
最後にダンボールのウラ・オモテの見分け方ですが、オモテははつるつる、裏には線が入っていると覚えておいてくださいね。
中しんを貼り合わせるとき、オモテ部分はローラーを通り、裏は熱板を通るので線ができるのです。
これでもうあなたもダンボール博士!自信をもってショッピングを楽しんでくださいね!
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]]>どっちがオモテでどっちがウラか分かりますか?
組み立てられた状態だと、外側がなんとなーくオモテだろうな、と分かりますが、平べったいシートの状態だと混乱してしまいますよね。だって、そんなこと一度も考えたことがないもの!という声が聞こえてきそうです。
今回は、『ダンボールの材質を知ればショッピングが怖くない』というのがテーマです。
この記事を読んだら、皆さんのダンボール知識もググッとあがります。もう通販でぺらぺらのダンボールを買ってしまうこともなくなりますよ![/vc_column_text]
「ダンボール」――はじめてその言葉を聞いたとき、皆さんは何語だと思いましたか?
『ボール』ってついてるし、英語かな?と思われた方も多いのではないでしょうか。実はこの『ダンボール』という言葉は日本語です。
日本で初めてダンボールを作った、井上貞治郎さんという人が名付けたものです。
『ダンボール』は、『段ボール』のこと。
ダンボールの断面を見ると、真ん中にナミナミの厚紙が入っていますよね。これが階段状に見えるということと、ダンボールの紙はボール紙で作られたことから、『段』と『ボール』を合わせて『ダンボール』という名前にしたのだそう。
ちなみに英語では『corrugated cardboard』といいます。発音したものを聞いてみましたが「コーゲテッディドカー(ド)ボード」とまったく聞きなれない言葉でした(笑)。
『corrugated』とは「波形の、ひだのついた」という意味。『cardboard』は「厚紙」という意味なので、直訳すると『ひだのついた厚紙』という意味なんですね。
ダンボールの表面をはがすと出てくるナミナミの厚紙。あのふしぎな形が考案されたのは1859年のことでした。イギリスの紳士が、貴族が着ている服の襟元を見ていて「あんなふうに厚紙を波状に折ったら、丈夫な紙ができるのかな……?」と思いついたのです。
果たしてこのアイディアは大成功でした。ナミナミの形の厚紙で包むと、中のモノを優しく包むことができたのです。この丈夫な厚紙のウワサは海を越えて、アメリカまで届きました。当時のアメリカでは壊れやすい電球をどう包めばいいのかみんなが困っていたのですが、ナミナミの厚紙を使うことで問題は解決しました。こうして、ナミナミの紙は『モノを包む優秀な紙』として日本にも伝わることとなります。
ダンボールの名付け親、井上貞治郎さんは、この厚紙をさらに丈夫にするために「機織り機のように厚紙を貼り合わせたらどうだろう?」と思いつきました。
こうして、ダンボールはナミナミの厚紙を2つの丈夫な厚紙で挟む、という現在の形になりました。
基礎知識を読み終えた皆さんは、『ダンボールとは、板になる紙2枚の間にナミナミの形に加工した厚紙を挟んで密着したもの』だということが理解できたと思います。この状態のことを正式名称では『ダンボールシート』といいます。
あのミカン箱のような形のダンボール箱はダンボールシートを箱の形に切って組み立てたものです。
ダンボールを支えるこの3つの厚紙にはそれぞれ名前がついています。
板になる紙2枚……『ライナー』と呼ぶ。表ライナーと裏ライナーの2つで『中しん』を挟む
ナミナミの厚紙……『中しん』と呼ぶ。
さらに、ライナーと中しんの3つが合わさったものをフルート(段)と呼びます。
中しん、ライナー、フルートと専門用語で呼ぶことには意味があります。
製紙会社さんがダンボールシートに『K5AF』などと名前を付けるときに役立つのです。
暗号のような名前ですが、この言葉は『表ライナー/中芯/裏ライナー フルート』の順にあわされています。『K5AF』とは、『K180g/S120g/K180gAF』ということ。
Kが表ライナーの紙の重さ、Sが中しんの紙の重さ、Kは裏ライナーの紙の重さ、最後のAFというのは『A』という種類のフルートですよ、という意味です。
中しんは120gの重さの紙を使うのが標準なので、120gのものを使う場合は中しんの表記を抜かして『K5/K5 AF』と表記します。さらに表と裏のライナーが同じ材質なので、こちらも省略してしまって『K5AF』で通じます。
紙を作る現場にいる人たちは、この数字を聞いただけで「ああ、これは薄いダンボールシートだな」とか「厚くて丈夫なダンボールシートだな」と正確に理解することができるというわけです。
ここからは、ダンボールのライナー、中しん、フルートの材質についてさらに詳しく説明していきます。
まずはライナー。
ライナーはD、C、Kの3つの紙の種類と重さで区別されます。D、C、Kの3つの紙は古紙の含有率の差です。
Kライナー……クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)
Cライナー……ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)
Dライナー……ジュートライナー(古紙含有率100%)
| 級 | 名称 | グレード | 価格 |
|---|---|---|---|
| A級 | Kライナー | 高 | |
| B級 | Bライナー | ||
| C級 | Cライナー | ||
| D級 | Dライナー・NCライナー | 低 | 安 |
パルプの配合量によって等級が分かれます。Dライナーが最も弱いライナーであり、加工時に「割れ」が発生しやすくなります。
ライナーを表すもうひとつの基準は『重さ』。これは『紙の厚さ』の違いともいえます。厚さは重さ(斤量)で決定します(1平米あたりの重量=g/㎡)。
斤量は正式には 【g/㎡】 と表記しますが、単純に4、5、6、7と1桁の数字で表されることが多いです。
その理由は、日本でダンボールシートが作られ始めた1909年、日本人は「g」で重さを表していなかったから。当時の日本人は、尺貫法の『匁』(もんめ)で重さを表していました。そのため、1もんめ(=3.75g=5円玉の重さ)という当時の測り方がいまも残っているのです。
例:4匁(もんめ)=130g/㎡ 、5匁(もんめ)=170~180g/㎡ 、6匁(もんめ)=220g/㎡ 、7匁(もんめ)=280g/㎡
この重さの単位と、紙質を合わせ、K180(Kライナーの180g/㎡)というように、ライナーを表示します。もんめの単位により、K5と呼ばれたりもします。
D4<C5<C6<K5<K6<K7と6種類のライナーがあるものの、現在使用されているのはC5・K5・K6の3種です。
ナミナミの形の部分にあたる中しんの板紙は、『印刷をしないぶん、ライナーで使う紙よりも落ちた紙質』であること。『波状に加工するので、折り曲げやすくて接着性もよいもの』が使われます。
重さで表すと、通常の中しんは、斤量は115~125g/㎡のものを使います。標準の中しんは『120g』となっています。ダンボールを購入したときに、材質表示に中しんの記載がないときには「120g」のものが使われていると思ってくださいね。
中しんの種類は標準の120g/㎡のほか、160g/㎡、180g/㎡、強化180g/㎡、強化200g/㎡と厚さが変わっていきます。
| 等級 | 名称 | 素材 | グレード | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| A級 | セミ芯 | (パルプ100%) | 高 | 高 |
| B級 | 準セミ芯 | (パルプ+古紙) | ||
| C級 | 準セミ芯 | (パルプ+古紙) | ||
| D級 | 強化特芯 | (特芯+強化剤) | ||
| E級 | 特芯 | (オール段古紙)) | 低 | 安 |
注:ライナーと同様にパルプの配合量によって等級が分かれます。
ちなみに、『強化』と表記されているものは特殊な薬剤に漬けて紙を固くしています。
ただし、この『強化』はライナーとのバランスを考えないといけないので、「とにかく固くすればOK」というわけではありません。たとえば、中しんを200gの強化にすれば強度はばっちりですよね。だからといって、ライナーをペラペラの材質のものにしてしまうとライナーの表面がぼこぼこになって、うまく印刷できなくなるんです。また、ダンボールシートを折り曲げたときにライナーが中しんの硬さに負けてしまって割れたりします。
わたしたちがふだん使ってるダンボール箱はライナーと中しんのバランスを見て作られたものというわけなんですね。
表ライナーと裏ライナーで中しんをはさんで接着する。この工程を行うために、製紙工場では100mもの長さがあるコルゲータという貼合機(てんごうき)を使います。
こうして段になったものをフルートと呼びます。
ダンボールはフルートの厚みや種類によって、質感が全然違ったものになります。
たとえば、シングルフルートとダブルフルート(フルートを2段にして接着したもの)ではまったく厚さが違います。以下、フルートの種類をまとめてみました。
注:フルートの種類は、ナミナミの形が30㎝あたりにどのくらい入っているのかによって種類分けされています。
Aフルート……ダンボールの標準的なののがAフルートで作られています。シートの厚さは5㎜。30cm内になみ模様が34±2個になるものとされています(前後2個までの誤差はOK)。引っ越し用のダンボールとして使いやすい厚さです。
Bフルート……Aフルートより薄く、切れ込みや折り込みを入れることができます。厚みは2.5~2.8mm、30cmあたりのなみ模様の数が50±2個になるものとなっています。パソコンなどの緩衝材として使われることも。
Cフルート……欧米をはじめ世界のほとんどの国で主流になっているもの。Aフルートよりも20%ほど薄くなっています。薄い分、厚さは約3.5~3.8mm、30cm内になみ模様が40±2個になるもの。薄い分、保管しやすい利点があります。
Wフルート……AフルートとBフルートを貼り合わせたもの。AフルートとBフルートを合わせて8mmになるもの。主に海外に向けて発送する商品に使う。
Eフルート……Eフルートは厚さ1.10~1.15mm、30cm内になみ模様がおよそ95±5個と定められているもの。薄くて軽いので、ギフト箱などの外装箱に使われることが多いです。
Amazonなどの通信販売サイトでダンボールを検索してみると「思っていたものと違った」というレビューをよく目にします。多くの人は、ダンボールの写真と商品説明でそのダンボールの購入を決めるので『引っ越し用と書いてあったから丈夫なダンボールだと思っていたのにぺらぺらだった!』とか『写真では大きそうだったのに届いて見たら小さかった』というような齟齬が生まれてしまうのだと思います。
そんなときに、この記事で得た知識が役に立ちます。
わたしたちはもうダンボール選びのプロ!製紙会社の人のようにダンボールの材質表記を見ればどんな厚さのダンボールなのか分かってしまうのです。
さっそく、通販で売っているダンボールを見てみましょう。
ダンボールキング 段ボール 160 サイズ 5枚 セット 引っ越し 梱包 自社工場直送 オリジナル 超強化 ダンボール
評価 ★3
こちらのダンボールは「丈夫だった!」という人と、「全然丈夫じゃない」という2つのレビューがあったものです。
以下、悪かったレビューを引用したいと思います。
『薄すぎ。超強化に騙されないでください!!コンビニでもらったペットボトルの段ボールの方が何倍も厚く丈夫です。160サイズでこの薄さ、使い物になりません。室内で動かしただけでもう変形しまくり。
海外引越用でしたが時間が無い中買い直しです。超強化はウソ。ハリボテ。材質が柔らかすぎ』
『超強化ダンボール』と言われるとものすごく丈夫なダンボールのように聞こえますが、実際はどうなのでしょうか。
このダンボールの材質は『 K5×K5 中芯強度 弊社オリジナル強化120g強化使用 Cフルート(4mm)』と書かれていました。
K5のライナー、中しんは120g、Cフルート(4㎜)ということですね。
Kライナーなのでグレードは高いものの5匁(もんめ)=170~180g/㎡ですから、厚さはそれほどでもありません。D4<C5<C6<K5<K6<K7の順に強度があがるので、K5ライナーは強度的には中程度のライナーであることが分かります。
次に中しん。こちらは会社オリジナルの強化がほどこされている120gのもの。強化がどれほどのものかはわかりませんが、中程度のライナーで挟んでいることと、標準の重さの中しんであることから、さほど硬いわけではないようです。
最後にフルート。こちらはAフルートよりも20%薄い、Cフルート。この情報から、「分厚いダンボール」ではないことが分かります。
ダンボールの素材を知れば、もう通販も怖くありません。「ふむふむ、これはAフルートか。ならよさそう!」こんなふうに素材表示からそのダンボールがどんなものか知ることができます。
最後にダンボールのウラ・オモテの見分け方ですが、オモテははつるつる、裏には線が入っていると覚えておいてくださいね。
中しんを貼り合わせるとき、オモテ部分はローラーを通り、裏は熱板を通るので線ができるのです。
これでもうあなたもダンボール博士!自信をもってショッピングを楽しんでくださいね!
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]]>通販で購入したものがダンボール箱で届き、それを解体して子供のおもちゃにして、飽きたらそのまま資源ゴミへ。回収されたダンボールはまたリサイクルされ、お店が購入します。
そんなダンボールですが、皆さんは材料を詳しくご存知でしょうか。
今回はダンボールの『材料』に焦点を当てたいと思います!
[/vc_column_text]
『ダンボール』というのは、三層の厚紙からできています。表面と裏側の厚紙を表ライナー、裏ライナーと呼び、中に入っているナミナミの厚紙を中芯と呼ぶことをまずは覚えておいてくださいね。

この3つが合わさった段のことをフルートと呼び、薄いものから厚いものまでさまざまあります。中にはフルート同士をくっつけて、さらに厚みを増して強力にしたものも!ダンボールは、このように厚みや使う紙の種類によっていろいろな質感になります。
製紙工業では、表面の原紙、中芯の原紙、裏面の原紙の3つのシートを作り、最後に貼り合わせて、フルートにしています。
ダンボールシートを作る機械をコルゲートマシーンと呼び、製紙工場ではなんと、長さが100mもあるコルゲートマシーンで接着していきます!
ライナーの材質のことをK5やC5という呼び方で呼ぶのですが、このKというのは紙パルプの率で決まります。5というのは重さの単位です。その昔、日本では『g』(グラム)の単位が浸透しておらず、『匁』(もんめ)という5円玉の重さのサイズを1と呼んでいました。そのため、『K5』や『C6』のように今でも匁の重さで重量を表すのです。
話を戻して、『K』というのは、別名クラフトパルプとも呼ばれます。昔は100%バージンパルプが使われており、もっとも高級な紙として使われていました。現在は製紙の抄造技術が進歩したので、50%程度古紙を含んでいます。
現在使われているライナーは以下のものが主流です。
Kライナー……クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)
Cライナー……ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)
Dライナー……ジュートライナー(古紙含有率100%)
昔は、D4<C5<C6<K5<K6<K7と6種類のライナーがありますが、いま一般的に使用されるのはC5・K5・K6の3種です。
昔のダンボールはパルプがたくさん使われていましたが、現代ではリサイクル技術が発達し、リサイクルにだされたダンボールでまた新たなダンボールが作られるようになりました。そう、『ダンボール』の原材料は『ダンボール』なんです。
(ダンボール以外にも、雑誌や古紙もダンボールの原料になることがあります)
本来なら、100%古紙でもダンボールは作られるのですが、ダンボールの強度はパルプに比べると、ちょっと弱くてざらざらしているので、ダンボールの表面に印刷する場合や、強度を求められるダンボールにはパルプを入れるようにしています。
ちなみに、ダンボールに使われるパルプは、再生可能な木材が原料となっています。間伐するために切られる木材や、細いままの木、うまく成長できずに曲がってしまった木などを処分せずに有効活用しています。また、家を解体したときに出た柱の木を利用してダンボールが作られることもあるんですよ。

中芯に使う紙はライナーで使う紙よりも落ちた紙を使うのが一般的です。
その理由は、中芯に使う紙は印刷をしないから。Kライナーを使う必要がないのです。波状に加工できて、折り曲げやすく、接着性もよいもの、という観点から紙を選びます。
そのため、中芯は紙質よりも、重さや強化されているかが表示のポイントになります。
『強化』とついているものは斤量は同じでも、薬剤で硬くしてある商品のこと。
「それならみんな強化したらよんじゃない?」と思ってしまいますが、薬剤で強化することで、丈夫には曲がりにくくなります。そのため、薄い紙で強化芯を使ってしまうと、パキンと割れたり、表面がでこぼこしてうまくいんさつできないというデメリットがあります。
どの中芯を使うのかというのは、製紙工場の方が試行錯誤して「この紙質にはこれが合う!」と選んでいるのです。
フルート(段)には以下の種類があります。
Aフルート……よく使われているのがこのAフルート。ダンボールの基準となっています。シートの厚さは5㎜。30cm内になみ模様が34±2個になるものとされています(前後2個までの誤差はOK)引っ越し用のダンボールのほか、野菜を入れるダンボールにも使います。
Bフルート……Aフルートより薄く、切れ込みや折り込みを入れることができます。小さくて重さがないものや内装箱を梱包するときに役立ちます。パソコンなどのデリケートな商品の緩衝材として使ったり、ディスプレイの商材にも使われたりしますよ!
厚みは2.5~2.8mm、30cmあたりのなみ模様の数が50±2個になるものとなっています。
Cフルート……日本ではAフルートが主流ですが、欧米をはじめ世界のほとんどの国ではこちらが主流となっています。Aフルートよりも20%ほど薄く、ナミナミが細かくなっています。薄い分省スペースで資源も節約できると人気なのだそうです。固くて丈夫なダンボールを求める日本と考え方が違って面白いですね。厚さは約3.5~3.8mm、30cm内になみ模様が40±2個になるものが当てはまります。
Wフルート……Wフルートとはダブルのフルートのこと。AフルートとBフルートを貼り合わせたものなので、丈夫で分厚く、重さもあります。重いものを梱包するのにつかわれるほか、海外に輸出するものを梱包するときにもよく使われるそうです。AフルートとBフルートを合わせて8mmになるものになります。
Eフルート……Eフルートはとっても薄く、厚さ1.10~1.15mm、30cm内になみ模様がおよそ95±5個と定められていますが、実際には80程度のものも存在するそうです。ギフト箱などの外装箱に使われることが多いのだそう。触った感じはただの厚紙のように見えますが、ちゃんと中しんがあります。
ダンボールの素材を見るときには、このように『表ライナー/中芯/裏ライナー フルート』の部分を見ます。例えば、『K180g/S120g/K180gAF』。これは、中芯が標準である120gで作られているので省略され、さらに表と裏のライナーが同じ材質なので、こちらも省略してしまって『K5AF』と表記されています。
こんがらがってしまう方は、最後のアルファベット『フル―ト』だけでも覚えておくとダンボールの当たりハズレがなくなりますよ!Aフルートなら一般的な厚みのあるフルート、Cフルートなら20%薄めでコンパクト、Wフルートなら重くて丈夫という感じです。
「ダンボールの原材料はダンボール」というお話をしました。そう、私たちがダンボールをリサイクルに出さなければ、世界中のダンボールが新たに作ることはできなくなってしまうのです。
そこで、いまは「ダンボールをリサイクルしよう!」という動きが高まっています。
以下、ダンボールのリサイクルに関するニュースを引用します。
『段ボールの回収率は2004年時点ですでに80%以上の高いレベルに達していました。自主行動計画はこの高いレベルを維持するという意味で第1次計画では90%以上、第2次計画では95%以上を維持するという目標を設定し、それぞれ目標を達成しています。
段ボールは完備されたリサイクル機構のもとでリサイクルされており、使い終わった段ボールはそのほとんどが段ボール原紙の主原料として使用され、再び段ボールに生まれ変わっています。今後もこのリサイクル機構を維持し続けることが最重要課題と考え、第3次計画は引き続き95%以上の維持を目標として取り組んでおり、2017年実績は96.1%となり、目標を上回っています』
ダンボールにはよ~く観察すると、リサイクルマークがついています。これは、国際段ボール協会(ICCA)の世界共通のダンボールマーク。ダンボール協議会はこのマークをすべてのダンボールにつけることを目指しています。

このマークの印刷率(マークが印刷されたケース数/総印刷ケース数)の調査結果は、初回2007年10月調査で28.4%だったものの、2010年4月調査では90.2%となり、第1次計画をクリアしました。
その後第2次計画、第3次計画では表示率90%以上の維持・向上を目標としていましたが、現在は92.5%と高い印刷率を誇っています。
ダンボールをしっかりとリサイクルに出すために、私たちができることはなんでしょうか。
それは――ダンボールを使った後、できるだけキレイな形でリサイクルに出す、ということです。
ダンボールは濡れたり、カビたり、汚くなってしまったら、そのままリサイクルに出すことができません。
そのため、キレイな状態で送られてきたダンボールは、テープをキレイに取って、まとめて置いておくことが大切です。
以下、ダンボールをまとめるのにぴったりな商品を紹介したいと思います。
・ダンボールストッカー タワー 段ボールストッカー 段ボール 収納ゴミ箱 ダンボールラック 段ボールラック スタンド ラック 使用済 ストッカー 省スペース 収納ラック おしゃれ 山崎実業 yamazaki 3303 3304【ポイント10倍 送料無料】
[ tower ダンボールストッカー ]
価格 4,180円 (税込)
レビュー平均評価★4.53
『他の方のレビューにも同意見がありますが、表記されているサイズから想像していたよりもかなりコンパクト&軽量感があります。
荷物置き用のお部屋の片隅に設置するものとしては、とっても良かったです。
もう少し大きくても…という感じもいたしますが、大きなダンボールもしっかりと支えてくれているので良いです。
ゴミに出す時にそのままの状態で紐を付けられることとキャスター付きなのが便利ですね。
後付けのキャスター、ちょこっと面倒くさかったですが、難しいことはなくすぐに付けられました』
『今までは部屋の片隅に段ボールを積んでいたんですが、片付けたいのと1人でも紐を縛れるようにしたかったので購入。なぜ今まで購入しなかったのか後悔!
立てて保管するのでスペースも少なくて済むし、なにより1人で紐を縛るのもラクラクです!なくても縛れるとは思いますが、最後に緩んでしまって縛りなおしたりと面倒でした。でもこれは隙間があるので紐も通しやすいし、パンパンに詰めて縛れば緩むこともなく取り出せるのでゴミ出しが楽になりました』
こちらはダンボールを家に収納しておけるストッカー。ためておいて、紐でギュッとしばれば、あっという間にきれいにまとめられそうです!
・ゴミ分別に!リサイクルに!工作に!
らくちんにダンボールが切れる段ボールカッター!
【エントリーでポイント5倍10月28日まで】CANARY 長谷川刃物
段ボールのこ ダンちゃん
価格 334円 (税込)
レビュー平均評価★4.59
『これを使い始めてから「ダンボールの処理のストレス」が減りました。旦那にも、試しに使わせたら「これ、使いやすいね!」と言っていましたので、いい商品なのだと思います。他の商品も買いましたが、ついでに1個買っておきました。…ただ、文房具専門店でも、全く同じものが置いてありましたが価格が、これより安かったです(汗)微々たるものですが、300円以下でした。
その時は「まだ、いらないわ」と思ったので、その店では買いませんでした。商品自体は、とても優れものなので、オススメです!』
こちらはダンボール専用カッター。ダンボールの処理のストレスから解放されると皆さん大絶賛なので、家に一個あると便利かもしれません!
ダンボールの原料のほとんどが、使用済みの紙。1995年に制定された容器包装リサイクル法において、ダンボールはリサイクルシステムが確立されていると認められ、再商品化義務が免除されるようになりました。わたしたちは、地球環境のためにも、どんどんダンボールをリサイクルすべきです!
リサイクルに出すときは、ダンボールに貼られたガムテープ、宅配便の伝票、ホッチキスなどをはずしておくと、回収の方が楽に回収できるので、ぜひ積極的にはずすようにしてくださいね。
表面がコーティングされている場合が可燃ゴミになるのでこちらもチェック!
リサイクルの仕方を覚え、これからも安心して新品のダンボール箱を使えるようにしましょう!
The post ダンボールの材料はなに? リサイクルの必要性をまとめてみた first appeared on ダンボール職人.
]]>The post ダンボール箱の素材ってなあに?身近な疑問をまるっと解決! first appeared on ダンボール職人.
]]>モノを送るときに使うのはもちろんのこと、子供の工作や、緊急時には足元に敷いて保温もしてくれるダンボール。軽くて丈夫で冷たいものは冷たいままに、温かいものは温かいまま保存してくれる……。よく考えると、ダンボールってすごいヤツだと思いませんか?
今回は、身近にあるすごいヤツ、ダンボールの素材を調べてみました。知ればきっと、誰かに話したくなると思いますよ!
日本で初めてダンボールを作った方は、井上貞治郎さんという人です。綿織り機からヒントを得て、「厚紙を貼り合わせたら丈夫なシートができるんじゃないかな?」と思ったのだそう。こうして1909年に出来上がったのが、現在のダンボールの原型です。
このとき使われた『厚紙』のルーツをたどると、なんと1859年、今より100年以上前にさかのぼります。
イギリスの紳士が、「貴族が着ている服のえり元みたいに厚紙を波状に折ったら、丈夫な紙ができるんじゃないかな?」と思いついたのです。
こうして生まれた厚紙は、シルクハットの内側に使われました。その厚紙は通気性がよく、クッション性もあったので、シルクハットの中に使うだけじゃもったいないと人々は思いました。当時、アメリカでは壊れやすい電球をどう包むのかが問題になっていましたが、この電球用の包み紙にナミナミの厚紙が採用されることに。こうしてナミナミの厚紙は『包む』目的として使われるになり、さらに改良を重ねられ、1909年に日本に渡ってきたのです。
井上貞治郎さんは、ダンボールの名付け親なのですが、「段+ボール(紙)」でダンボール、と名付けたそうですよ。それまで日本ではしわしわ紙(ナミナミだからかな?)と呼ばれていたので、井上さんが命名しなかったら、今頃ダンボール箱は「しわしわ箱」と呼ばれていたかもしれません!

みなさんは「ダンボール」というとなにを思い浮かべますか?
みかん箱のような形の茶色い箱ではないでしょうか。
あれは正確には『ダンボールシートを素材とする箱』。ダンボールというのは狭義ではダンボールシートのことを指します。ダンボール箱を作っている会社は製紙会社から『ダンボールシート』を購入してさまざまな形に切って成形しています。
さまざまな形に変わるダンボール製品の素材となる『ダンボールシート』とは、ライナーと呼ばれるボール紙(表ライナーと裏ライナーの2つ)とナミナミの形をしている「中しん」を糊で貼り合わせた三層構造になっています。この三つが合わさったものをフルート(段)と呼びます。
ダンボールの強度は材質のほか、フルートの厚みや種類によって変わります。
たとえば、シングルフルートのよりも、ダブルフルート(ナミナミを挟んでいるシートを2段にしたもの)のほうがぐっと強度は高まります!

ダンボールを通販で購入したとき、「あれ!思っていたのと違う!」と思ったことはありませんか?それは『こういうのがダンボールだろう』と思っている厚みよりもぺらぺらだった場合ではないでしょうか。
皆さんが「これがダンボール」と思っているものは正確にはAフルートと呼ばれる厚さのものです。
先ほど、ダンボールは3層構造だと紹介しましたよね。
その3層を作るために、製紙工場では100mもの長さがあるコルゲータという貼合機(てんごうき)で接着していくのですが、このとき使われる表ライナーと裏ライナーの種類、そしてナミナミの形をした中しんの高さによって強度や質感がまったく変わってくるのです。
★知っておこう!『ダンボールのライナー』
ライナーの紙質にはD、C、Kの種類があります。これは古紙の含有率の差です。例えばKライナーは別名クラフトライナーとも呼ばれ、バージンパルプ100%で作られています(現在は製紙の抄造技術が進歩したので、古紙を含んでいます)。
逆にDライナーは古紙含有率100%。ざらついているので印刷には不向きですが、古紙を使っているので安いのが魅力です。
Kライナー……クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)
Cライナー……ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)
Dライナー……ジュートライナー(古紙含有率100%)
もうひとつ、ライナーの種類を決定するのは『厚さ』の違いです。厚さは重さ(斤量)で決定します(1平米あたりの重量=g/㎡)。
厚ければ厚いほど紙が硬くなり、重くなります。中に入れるものが洋服なのにダンボールが厚くて重すぎるのは、うーん……と思っちゃいますよね。逆にパソコンなどを入れるダンボールが薄くて柔らかすぎたら怖いです。このように、用途に合わせてさまざまな重さのダンボールシートが使い分けられています。
斤量は正式には 【g/㎡】 と表記しますが、単純に4、5、6、7と1桁の数字で表されることが多いです。
なぜ1から始まらないのかというと、日本でのダンボールの歴史が1909年と古いため。当時の尺貫法の匁で表されていたためなのだそうです。1951年に重さをキログラムで表すようになる前は、もんめ(=3.75g=5円玉の重さ)と表していました。
4匁(もんめ)=130g/㎡ 、5匁(もんめ)=170~180g/㎡ 、6匁(もんめ)=220g/㎡ 、7匁(もんめ)=280g/㎡
この重さの単位と、さきほど説明した紙質を合わせ、K180(Kライナーの180g/㎡)というように、ライナーを表示します。もんめの単位からK5と呼ばれたりもします。
D4<C5<C6<K5<K6<K7と6種類のライナーがありますが、一般的に使用されるのはC5・K5・K6の3種なのだそうです。
★知っておこう!『ダンボールの中しん』
中しんとはナミナミの形の部分のこと。この中しんに使用する板紙は、印刷をしないので、ライナーで使う紙よりも落ちた紙質を使うようです。
波状に加工するので、折り曲げやすく、接着性もよいものがグッド。というわけで、通常、斤量は115~125g/㎡のものを使います。120g/㎡、160g/㎡、180g/㎡、強化180g/㎡、強化200g/㎡と種類があります。
『強化』とついているものは斤量は同じでも、薬剤で硬くしてある商品のこと。
「だったら、全部強化してガチガチに硬くすればいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、中しんがライナーと比較して硬すぎると、ライナーの表面がでこぼこになってしまうので注意が必要なのです。また、中しんが硬すぎると折り曲げたときにライナーが割れてしまったり、うまく印刷できなくなってしまいます。
そのへんのちょうど良いパランスを模索して今のライナーと中しんの組み合わせになったのか~と思うと、そのへんに置いてあるダンボール箱が、すごいやつなんだな、と思えますね。
★知っておこう!『ダンボールのフルート』
フルートとは、中しんを波状に加工したもののこと。ナミナミの形が30㎝あたりにどのくらい入っているのかによって種類分けされています。
Aフルート……よく使われているのがこのAフルート。ダンボールの基準となっています。シートの厚さは5㎜。30cm内になみ模様が34±2個になるものとされています(前後2個までの誤差はOK)引っ越し用のダンボールのほか、野菜を入れるダンボールにも使います。
Bフルート……Aフルートより薄く、切れ込みや折り込みを入れることができます。小さくて重さがないものや内装箱を梱包するときに役立ちます。パソコンなどのデリケートな商品の緩衝材として使ったり、ディスプレイの商材にも使われたりしますよ!
厚みは2.5~2.8mm、30cmあたりのなみ模様の数が50±2個になるものとなっています。
Cフルート……日本ではAフルートが主流ですが、欧米をはじめ世界のほとんどの国ではこちらが主流となっています。Aフルートよりも20%ほど薄く、ナミナミが細かくなっています。薄い分省スペースで資源も節約できると人気なのだそうです。固くて丈夫なダンボールを求める日本と考え方が違って面白いですね。厚さは約3.5~3.8mm、30cm内になみ模様が40±2個になるものが当てはまります。
Wフルート……Wフルートとはダブルのフルートのこと。AフルートとBフルートを貼り合わせたものなので、丈夫で分厚く、重さもあります。重いものを梱包するのにつかわれるほか、海外に輸出するものを梱包するときにもよく使われるそうです。AフルートとBフルートを合わせて8mmになるものになります。
Eフルート……Eフルートはとっても薄く、厚さ1.10~1.15mm、30cm内になみ模様がおよそ95±5個と定められていますが、実際には80程度のものも存在するそうです。ギフト箱などの外装箱に使われることが多いのだそう。触った感じはただの厚紙のように見えますが、ちゃんと中しんがあります。
このようにして、ダンボールシートは種類分けされ、『表ライナー/中芯/裏ライナー フルート』であらわされます。例えば、『K180g/S120g/K180gAF』といった具合です。中しんが標準である120gで作られている場合は、この真ん中を省略して、『K5/K5 AF』と略します。さらに表と裏のライナーが同じ材質なら、こちらも省略してしまって『K5AF』で通じちゃいます!
女子高生の間ではやる言葉はなにかを省略した言葉が多いですが、なにかを省略して呼ぶのがうまいのは日本人の特質なのかもしれませんね!
濡れるとしなしなになっちゃうイメージのダンボールですが、中には水を弾く加工をされているものもあるんです。ダンボールには以下の特殊加工がほどこされているものもあります。
・撥水加工
撥水加工とは、ダンボールの表と裏の紙(ライナーといいます)に水を弾く加工を施すこと。表と裏の片側だけ撥水加工を行うことも可能です。
皆さんはカバンを買った時に防水スプレーをしますよね? あれをイメージしていただければと思います。一時的に雨に当たっても水滴を弾いてくれるのです。
また、冷蔵庫などの湿気のある環境で強度が落ちるのを防ぐ効果もあります(長時間、ずっと湿気にさらされるのはNG)。
野菜を運ぶ箱や、冷凍食品、生花などを運ぶ箱によく用いられます。
・耐水加工
耐水加工は撥水加工の上位バージョン。撥水加工よりも「水」が原因で強度が落ちるのを防いでくれます。表と裏の紙(ライナー)以外のナミナミ部分(中しん)や接着剤にも耐水の処理を施します。
農産物や新鮮な魚介類の冷凍・冷蔵発送のほか、輸送中に箱の水濡れが心配な商品に用いられます。
・防水加工
なんと防水加工を施したダンボール箱は、箱を組み立ててから中に水を注いでも外には漏れません!
その効果は発泡スチロール並み!新鮮な魚を郵送するのにぴったりです。
水産業者さんで使用されているそうですが、なんだか魔法のダンボールみたいですね!
ダンボールの素材を学んでみて「けっこう単純な構造なんだな~」と思いましたか?
そう、簡単に言うと、ナミナミの紙を厚紙2枚で挟んでいる、というだけなのですが、ダンボールにはメリットがいっぱいあるのです。以下、ダンボールが愛されている理由をまとめてみます!
・ダンボールは虫が入りにくい
ダンボールは密閉性が高いので、虫が入りにくいという特徴があります。また、一度使用した後はリサイクルされるので清潔です。
・紙でできているからCO2がほとんどでない
ダンボールの材質は紙。使った後は『古紙』として回収してリサイクルできちゃいます。ダンボールの古紙回収率はなんと90%以上!
プラスチック系の包装容器をリサイクルする場合、その工程でCO2(二酸化炭素)がどうしても排出されますが、ダンボールがほとんどCO2を出さずにリサイクルできます。また、ダンボールは100%再生可能な天然素材なので、リサイクルされずに放置されたとしても最後は土に還るのです。
・ダンボールは保温効果・保冷効果がある
ダンボールのあの3層構造は中が中空になっているので、温度が移りにくいのが特徴です。温かいものは温かいままに。冷たいものは冷たいままに運ぶことができます。
ダンボールの素材、会社によってなんとなく違うんだろうな~と思っていたら、しっかりとした基準をもとに作られていることが分かりました。
これからはダンボールが家に届いたら、その断面をじ~っと見て、「これは……Aフルートだ!」なんて当ててみるのもおもしろいかもしれません。ダンボールに詳しくなれば、通販をする場合も「来てみたらぺらぺらだった~~」なんてこともなくなりそうです!
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