人はなぜか、極端に小さかったり極端に大きいといった、規格外のサイズのものに、やたらと惹かれます。
米粒に書かれた文字や絵。
デカ盛り、ギガ盛り。
豆柴。
牛久大仏。
────などなど、小さいものも大きいものも、例を挙げていったら枚挙に暇がないです。
その中でも、今回は大きいものにスポットライトを当てて、「巨大なダンボールハウス」を探してみました。
いったいどれほど巨大なダンボールハウスに出会えるのでしょうか。
さあ、一緒に探っていきましょう!
そしてその迫力に、たっぷり魅せられてください!
【目次】
巨大ダンボールハウス~Made in 日本編~
巨大ダンボールハウス~Made in 海外編~
日本が誇る世界的建築家の巨大ダンボールハウス
【巨大ダンボールハウス~Made in 日本編~】
はじめにご紹介するのは、「いるま子育てフェスティバル2015」に登場した、大人が立って入れるほど巨大なダンボールハウスです。
・いるま子育てフェスティバル
詳細なサイズは不明ですが、ちょっとしたプレハブくらいの大きさがあるでしょうか。
土台も屋根もしっかりしていて、小窓もちゃんとついています。
手作り感が全くなく、売り物だと言われたら納得してしまいそうです。
このクオリティの高さ、家に欲しいレベルのダンボールハウスですよ……!
《その2》
続いては、屋根のないタイプで、災害時の避難所生活に大変役立つ巨大ダンボールハウス「ルームインルーム」です。
・ルームインルーム
幅、奥行き、高さ、それぞれ180cmという大きさ!
大人二人が並んで寝られるくらいのサイズです。
ルームインルームは、災害時に避難所でプライバシーを確保できるよう、埼玉県産業技術総合センターと北埼ダンボール工業さんが共同開発したそうです。
私もこちらの商品が欲しくなり、どうにか買えないものかと探しましたが、現在販売されているサイトは見つかりませんでした。
残念……!
《その3》
次はもう少し大きいものをご紹介しましょう。
その名も「オクタゴン」!
・オクタゴン
まさに巨大という表現がふさわしい、底部が八角形の、テント型をしたダンボールハウスです。
どことなく、モンゴルの遊牧民が暮らす移動式住居「ゲル」を思わせるたたずまいではありませんか?
そんな、どこか郷愁をかき立てるオクタゴンの床面積は、6.5畳(11.86㎡)!
天井の一番高い所までは、2.13mもあるそうです。
4人家族が一家全員で入っても、充分な広さですね!
また、オクタゴンに使用されているダンボールには、特殊加工が施されているため、屋外の使用でも6ヶ月以上の耐久性があるそうです。
もちろん、雨が降っても大丈夫!
気になるお値段は、詳細は分かりませんでしたが、1基10万円以上だそうです。
《その4》
Made in 日本編のトリを飾るのは、2018年9月、東京ビッグサイトで開催された「第86回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2018」で、大きな注目を集めた商品です。
その名は……「カカポ」!
・カカポ-cacapo-
紙芯とジョイント、ダンボールパネルを組み合わせて作るタイプの、巨大ダンボールハウスです。
記事に写真が掲載されている「お泊りハウスキット」の大きさは、幅150cm×奥行き250cm×高さ180cm。
およそ2.6畳ほどの床面積があります。
「ん? 2.6畳って、さっき出てきたオクタゴンの6.5畳よりも小さいじゃん!」
と、若干ご立腹でいらっしゃるあなた。
あなたはまだ、カカポの真の姿にお気付きではないのです!
なんとカカポは────自由自在に拡張できてしまうのですよ‼︎
デフォルトのキットに別売りの部品をつなげれば、この製品は幅も奥行きも高さも、どんどん広げられます。
その広さは未知数。
無限と言えるでしょう……!
なんとも末恐ろしい巨大ダンボールハウスです。
【巨大ダンボールハウス~Made in 海外編~】
《その1》
まずご紹介するのが、お隣り韓国のアーティスト、イ・ウォノさんの作品です。
・浮不動産/イ・ウォノ
https://horaguchi.cc/column/entry/アーティストファイル.html
雑多なダンボールをつぎはぎした外観は、誰もが思い描いている「巨大ダンボールハウス」の姿を、そのまま具現化したかのようですね!
サイズの詳細は不明ですが、横にいる男性の身長から推測すると、三角屋根の頂点まで3mはありそうです。
この巨大ダンボールハウスは、アート作品として制作されたものです。
たくさんのダンボールを支える枠組みや梁は、木材で頑丈に作られています。
まとまるとけっこうな重さになるダンボールですが、基礎の構造がしっかりしていれば、ハウスは簡単に倒れたりしません。
壁の素材となる大小さまざまなダンボールは、路上生活者が実際に使っていらしたものだそう。
作者であるイ・ウォノさんが、ソウル駅や南大門地下歩道、永登浦など、路上生活者が多く住む場所を訪れ、所有者と交渉した末に、1㎡あたりいくらと売買契約を結んで買い取ったダンボールを使用したそうです。
巨大ダンボールハウスの内部に、その取引契約書が額に収められ、飾られています。
何やら強いメッセージ性を感じますね。
《その2》
続いてご紹介するのは、オランダの巨大ダンボールハウスです。
・ウィッケルハウス公式サイト(英語)
丸みのある五角形の、モダンなおうち……。
普通に木製の家に見えますが、実は幾重にも重ねたダンボールでできた、正真正銘のダンボールハウスなのです!
公式サイトは英語なので、日本語で紹介された分かりやすいサイトを貼っておきます。
・未来の家の可能性、ダンボールハウス「Wikkelhouse」/casa
肝心のウィッケルハウスの大きさはというと、高さは最高(五角形の頂点までで)3.5m、幅は4.6m、奥行きはなんと……無限です!
それというのも、奥行き1.2mの1区画ユニットを、最低3つから組み合わせて作っているためです。
このユニットを4つ5つ……と、どんどんつなげていけば、いくらでも奥行きを拡張できるというわけです。
ダンボールでできた家なんて、雨や風に耐えられるの? と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。
「防水性がありながらも通気性に優れたフィルムが施され、さらに木製の被覆ボードで仕上げられているため風雨に負ける心配はない」
……と書かれています。
耐用年数は、サイトにより異なりますが、なんと50~100年!
ちなみに、まだ築12年しか経っていない我が家は、すでに屋根塗装・外壁塗装・外壁シーリング埋め直しをすすめられています……。
全部やるとなると、最低でも70万円はかかるそうです。
なかなか痛い出費です。
もちろん、ウィッケルハウスにもメンテナンスが必要ではあります。
しかし、足場をかけたり種類の違う塗料を必要とする我が家のメンテナンス費用と比較すると、かなり安く仕上がりそうです。
そんな耐用年数50~100年と、メンテナンスのしやすさをほこるウィッケルハウスの価格は、基本の3ユニットで3万ユーロ = 約360万円(1ユーロ = 120円で計算)だそうです。
3ユニットの床面積は、単純計算で16.56㎡。
一般的な4人家族向けのマンションの床面積と照らし合わせると、12ユニット分(66.24㎡)くらいは欲しいところでしょうか。
上記の広さで計算すると、
360万円(3ユニット) × 4セット = 1440万円。
土地代を入れずにうわものだけを考えて、国内の一般的な木造2階建て注文住宅の価格よりも、多少お安いくらいですね。
ここまでは、主に価格面でのメリットを挙げてきました。
しかし、建物の寿命が尽きた時にこそ、この家の真価が発揮されます。
ご存知の通り、ダンボールは自然に還る優しい素材です。
そのことから想像されるのは、言わずもがな────ですよね。
【日本が誇る世界的建築家の巨大ダンボールハウス】
巨大ダンボールハウスを探していると、一人の日本人建築家を発見しました。
その方のお名前は、坂 茂(ばん しげる)さん。
坂さんはダンボール製のパイプや紙を用いた巨大建築物を、数多く手がけていらっしゃいます。
厳密に言うと「ダンボールハウス」ではなくなってしまうかもしれませんが、まずはその素晴らしい建築物をご覧ください。
・建築家の坂茂の建築作品13選。代表作のポンピドー・センター・メスなど/DESIGIN MAGAZINE
造形の美しさに、思わずうっとりしてしまいますね。
このような芸術的な建築物だけではなく、坂さんは過去20年間に起こったほぼ全ての大規模な自然災害の後に、仮設住宅の建設を手掛けたりと、人道的支援を行っていらっしゃいます。
阪神淡路大震災はもちろん、ニュージーランド地震や、ルワンダ虐殺まで、国内のみならず海外の災害の場でも、大いに活躍されています。
坂さんが手がける仮設住宅や被災者施設は、低コストでリサイクル可能な素材から作られています。
しかも、どれも短期間で建てられるという、被災者にとってありがたいものばかり。
その際の建築物がこちらです。
・紙の仮設住宅や難民シェルターを設計ーー「建築界のノーベル賞」に坂茂さん
唯一無二の類稀なるスキルを、困窮した人のための活動に惜しみなく使える、坂さん。
本当に素晴らしい方ですね。
その功績が評価された坂さんは、2014年、建築界の賞として最も権威のある「プリツカー賞」を受賞されました。
他にも多数の輝かしい受賞歴があります。
世界で活躍され、被災されたたくさんの方々に感謝されている坂さんの活動を知ると、同じ日本人としてとても誇らしい気持ちになりますね!
【まとめ】
国内で販売されている巨大ダンボールハウスは、災害時のための商品が多く見られました。
海外では、長く使える定住タイプの巨大ダンボールハウスが目を引きます。
これは気候の違いか、はたまた土地の広さの違いでしょうか……。
最後にご紹介した坂さんに関しては、もう別格です。
いずれにせよ共通して言えるのは、
「ダンボールの可能性はまだまだあるぞ!」
ということです。
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