我が家には、中3の娘と高3の息子がいます。
「リビングで勉強する子供は成績が良くなる」という噂を鵜呑みにして、二人にはリビングに置いた学習机で勉強させています。
パソコンもリビングにあるため、私もおのずとリビングで仕事をこなす毎日です。
そんな環境で、私は常々考えていました。
「一人の空間が欲しい……!」
リビングという同じ空間に子供たちといるのは、別に苦ではないのです。
ただ、パソコンの画面を覗かれたりしたくない!
作業中にウロウロされたりすると、集中力が削がれてイヤ!
夏休みなんてもう地獄です‼︎
悩んだ末、私はひらめきました。
「そうだ。ダンボールで半個室を作ってしまえ!」
────これから始まるのは、私が大人のダンボールハウスという半自由空間を手に入れるための壮大な(?)物語です。
大人のダンボールハウスへの道①~材料調達~
大人のダンボールハウスへの道②~代用品はあるのか~
大人のダンボールハウスへの道③~既製品はないのか~
大人のダンボールハウスへの道④~ふりだしへ戻る~
大人のダンボールハウスへの道⑤~ベストなダンボール箱との出会い、そして~
大人のダンボールハウスへの道⑥~夢は次の世代へ~
【大人のダンボールハウスへの道①~材料調達~】
そうと決まれば、早速行動です。
まずはAmazonで、特大サイズのダンボール箱を検索してみました。
そこで見つけたのは、210サイズのダンボール5枚組。
内寸は74cm×57cm×70cmです。
これを4つつなげれば、のりしろを入れても、充分な高さと広さのダンボールハウスを作れるはずです。
1枚余るのは予備ということで、ご愛嬌!
「良いもの見つけた♪」
ご機嫌でカートに入れようとした私の手が、その時ピタリと止まりました。
商品の画像の下に書かれている数字を目にしたからです。
「6090円+送料1740円────!?」
総額でいうと、8830円です。
半自由空間をそのお値段で買えるのならば、決して高くはないのかもしれません。
けれどそれだけのお金をかけ、なおかつそこそこの製作時間を費やすであろうこと、さらには素人DIY丸出しの完成度の低さを想像してみたら、
「費用対効果、割に合わないわ!!」
と気付いてしまい、購入に踏みきれませんでした。
こうして私は大人のダンボールハウスの材料調達という第一段階で、早くも挫折を味わうこととなりました。
【大人のダンボールハウスへの道②~代用品はあるのか~】
材料にそれほどお金をかけたくない。
手間がかかりすぎるDIYはめんどくさい。
隠れていた自分の本心に気付いた私は、大人のダンボールハウスに代わる商品はないかと考えてみました。
まず思い付いたのが、キャンプなどで使うテント。
早速Amazonで検索してみましたが、一目で致命的な欠点に気が付きました。
高さがないのです。
一人用の半個室空間にマストで置くのは、パソコンデスクとオフィスチェア。
しかしほとんどの一人用テントは、ドーム型をしていて、天井が低いのです。
高さが欲しい場合、3~4人用の四角いテントがありますが、大き過ぎてリビングを占領しかねません。
そういうわけで、テントは大人のダンボールハウスの代用品にはなり得ない、という結論に達しました。
さらに知恵をしぼっていると、ピンとひらめきました。
「自転車を収納するテントはどうだろう?」
すぐさま探してみたところ、なかなか良さそうな商品を発見しました!
それがこちら↓
このような商品は、「サイクルハウス」という名称のようです。
金属のパイプを組み合わせ、上からシートを被せるだけという簡単な組み立て方法が、とても魅力的に感じられます。
お値段は送料込みで8980円。
既製品のきちっとしたデザイン感を鑑みれば、まあギリギリ納得できるお値段です。
では、サイズはどうでしょう。
幅1m×奥行き1.8m×高さ1.6m。
キャンプ用テントでネックとなっていた高さも、充分そうです。
けれど、奥行きがあり過ぎます……!
シングルの敷布団を20数枚重ねて置くのと同程度の空間をとります!
我が家のリビングは、そこまで広くありません……ッ‼︎
私は苦悩の末、不本意ながら「大人のダンボールハウスの代用品は、(我が家&私の場合)存在しない」という答えを導き出しました。
無念です。
【大人のダンボールハウスへの道③~既製品はないのか~】
あれこれ工夫するよりも、「これさえあればOK」な、バチッとセットになっている既製品の大人用ダンボールハウスを買った方が、無駄がなく圧倒的に楽なのかもしれない。
誰もが真っ先に思い付くであろう原点へ、遠回りの末にようやくたどり着いたお間抜けな私は、Amazonの商品検索ウィンドウに「ダンボールハウス 大人用」と打ち込みました。
すると出るわ出るわ……子供用のダンボールハウスが!
つらつらとスクロールしていきましたが、次のページに移動しても、そのまた次のページに移動しても、大人のダンボールは一向に現れません。
どうやらAmazonでは、既製品の取り扱いがないようです。
続いて、ウェブで「ダンボールハウス 大人用」を検索してみました。
すると……私の希望にマッチする商品を発見できました。
それがこちらの、個人用ダンボール防音室「だんぼっち」です↓
ほど良い大きさ、すっきりシンプルな見た目、室内にはテーブルもついています。
しかも防音までできるだなんて、まるで夢のようです!
私の理想をはるかに超えてきました!
こんな素敵な商品は、いったいおいくらで買えるのでしょう。
価格を確かめるため、わくわくしながら「購入へ」のボタンをポチッとすると────。
「……フゴッ!?」
思わずブタっ鼻が鳴ってしまいました。
理想を超越する夢の大人のダンボールハウスのお値段は、初めに見た210サイズのダンボール箱×5枚の比ではありません。
「ごめんなさい。私のような一介の主婦が手を出せるような代物ではございませんでした……!」
思わずへりくだって謝ってしまった私は、涙でにじむウィンドウを静かに閉じました。
【大人のダンボールハウスへの道④~ふりだしへ戻る~】
ダンボール箱を買って製作するには、費用対効果が割に合わないと感じる。
大人のダンボールハウスの既製品は発見できたが、予算とマッチしない。
以上から、私自身の希望する大人のダンボールハウスの条件が、はっきりと見えてきました。
それは、
①製作にあまり手間がかからない
②できるだけ安く抑えた価格
③見栄えがそこそこ良い
この3点です。
それらの条件を満たす、大人の手作りダンボールハウスはないものかと、私はウェブの大海をさまよいました。
そして参考になりそうな記事を、なんとも意外なお部屋探しの情報サイトから見つけることができたのです。
大人の段ボールハウス&家具をつくる!「部屋に小屋」を30分で/SUUMOジャーナル編集部↓
こちらのページに紹介されている方は、6本入り2Lペットボトルの箱を積み重ねて、個室空間を作っていらっしゃいました。
自作ダンボールハウスにつきものの「ダンボール箱をカットする」という、たったひとつの工程が省かれるだけで、ずいぶんと簡単に作れそうです。
「①製作にあまり手間がかからない」という条件、クリアです。
箱代は、中身のペットボトル飲料がメインなので、タダで手に入るも同然です。
条件「②できるだけ安く抑えた価格」もクリアです。
条件「③見栄えがそこそこ良い」は、100円ショップでリメイクシートを買ってきて、クリアすることにします。
そのくらいの簡単なDIYなら、ずぼらを地でいく私でも、どうにか我慢してやれそうです。
壁にくっつけたパソコンデスクの両サイドに、2Lペットの空きダンボール箱を積み重ね、入り口には突っ張り棒で渡した長いのれんでもかけておけば、充分なプライベート空間を確保できるでしょう。
おぼろげながら、MY大人のダンボールハウスの完成イメージが見えてきました。
すっかりやる気になって、6本入り2Lペットボトルの箱のサイズを調べてみたところ、メーカー各社ばらつきはあるものの、だいたい長さ27cm×幅22cm×高さ31cmでした。
「あれ、ちょっと待てよ? 幅が22cmって……?」
頭の中に思い描いたMY大人のダンボールハウスは、パソコンデスクの両サイドに、ダンボール箱の壁が2面あります。
2面の壁の幅を合わせると、44cm。
ただでさえ狭いリビングに、44cmもの煮ても焼いても使えないスペースを確保するのは、正直辛いです。
どうやら6本入り2Lペットボトルの箱の線も、ダメそうです。
【大人のダンボールハウスへの道⑤~ベストなダンボール箱との出会い、そして~】
「できれば、もう少し幅のない壁を築きたいんだよなぁ……」
困惑しながらさまよわせた私の視界の端に、とあるダンボール箱が映りました。
ほど良い長さ、薄めの幅、まあまあの高さ……壁にうってつけのサイズ感です。
それは和室のふすまを飼い猫が引っ掻いたりしないよう、バリケードも兼ねて備蓄してある、飲料水の箱でした。
普段はウォーターサーバーを使用しているため、完全に存在を忘れていました。
灯台もと暗しとは、まさにこのことでしょう。
それではご紹介しましょう。
MY大人のダンボール計画の救世主となり得るご神水、LOHCOウォーターです!
・LOHACOウォーター2L(5本入)↓
スーパーなどでよく見かける2Lペットは、たいてい6本入りですが、こちらは5本入りです。
そのため、ダンボールのサイズがかなり違います。
LOHACOウォーターの箱を測ってみたところ、長さ45cm×幅11.5cm×高さ31.5cmでした。
汎用サイズと比較すると、高さこそ大差ありませんが、長さはLOHACOウォーターの方が18cmも長く、幅も半分ちょっと狭いのです!
しかも箱のデザインが海外製のダンボールっぽくて、リメイクシートなど貼らずとも、おしゃれにまとまりそうな予感がします。
もう完璧です!
素材が決まれば、あとは設計を考えるのみ。
私は雑紙を引っ張り出してきて、定規とボールペンでMY大人のダンボールハウスの簡単な図を書いてみました。
ダンボール箱を3つ並べれば、長さは135cm。
壁の高さは、4箱重ねると126cm、5箱重ねると157.5cm、6箱は189cm。
遮蔽性と安定性を考えたら、5箱重ねがちょうど良さそうです。
子供たちの様子をうかがうのための窓も欲しいので、途中1箱分は空けても良いかもしれません。
以上を踏まえて、必要な箱の個数を計算したところ……
並べる3箱 × 積む5箱 − 窓1箱 = 14箱
それが2面で、合計28箱必要であることが分かりました。
28箱=2Lペット140本……。
重さにすると280kgです。
いかほどのものかと検索してみたら、肥満落下系堕天使アイドル「びっくえんじぇる」のお三人さんの体重の合計が、280kgだそうです。
全然ピンと来ません。
我が家の給湯器が、湯船に自動で張ってくれるお湯の量が、210Lです。
ちょっとピンときました。
大人のダンボールハウス製作のために、一気に28箱購入し、280Lもの飲料水を消化するのは難しそうです。
なので、少しずつ買い集めていこうと思います。
ちなみにLOHACOウォーターは、Amazon、楽天市場、Yahoo、アスクル、PayPayモール、LOHACOなどで購入できます。
私が良く利用するYahooのLOHACOPayPayモール店では、1注文合計3850円で送料無料ですが、LOHACOウォーターは1注文につき1個までの購入制限があります。
いつになったら全ての材料が集まるのでしょうか。
とほほ……。
【大人のダンボールハウスへの道⑥~夢は次の世代へ~】
実は私には、理想とするダンボールハウスがありました。
それはPUNNYのダンボールハウスです。
かわいらしい見た目、組み立ての手軽さ、完成度の割にお得な価格、どれをとっても理想そのものです。
けれどPUNNYのダンボールハウスは、子供用。
いい大人の私が入れるわけもありません。
我が子に買い与えようにも、娘の身長は155cm、息子は170cm。
ましてや中3と高3の思春期キッズが、ダンボールハウスを喜ぶとも思えません。
自分の子供の頃、おうちにPUNNYのダンボールハウスがあったら、気に入り過ぎてそこでしか生活しなかったはずです。
幼い私が叶えられなかった夢は、私の兄の娘、2歳の姪っ子に託すことにします。
ファニーなかわいいものが大好きな私と血がつながっている姪っ子です。
プレゼントしたら、きっとものすごく喜んでくれることでしょう。
喜び狂う姪っ子を目を細めて眺めながら、私は自身の大人のダンボールハウスが手に入る日を、静かに待とうと思います。