30キロのダンベルをダンボールでどうやって送る⁉厚手のダンボール箱の探し方

ダンボールの基礎の基礎

「ダンベル送って!」

ある日、父に言われた私。父は65歳にして運動に目覚めたらしく、私の家に転がっているダンベルを送って来いと言い出したのです。

ダンベル自体は何年も使っていないものなのであげるのはかまわないのですが、ダンベルは2つで30キロ……。

家にある薄手のダンボール箱で送るのは底が抜けそうで怖いと思った私は、厚手のダンボール箱を探すことにしました。この記事は私が厚手のダンボール箱をゲットするまでの道を書いたものです。厚手のダンボール箱をお探しの方の参考になれば幸いです!

 

【目次】
厚手のダンボール箱を探しにまずは近くのお店へ
厚手のダンボールを購入することに
『K5W』の謎を解こう
さいごに

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〇厚手のダンボール箱を探しにまずは近くのお店へ

厚手のダンボール箱をゲットするべく、近所のお店を回ってみることに。スーパー、ドラッグストア、家電量販店の順に回ってみました。

 

スーパー……

レジを通り過ぎたところにダンボール箱が山積みになっていました。清涼飲料水の箱やみかんの入った箱を手に取ってみたところ、『よくあるダンボール箱』という感じ。薄くはないのですが、重いダンベルを入れるにはちょっと心配です。

スーパーのダンボール箱は『ご自由にお持ち帰りください』と書いてあることが多く、ダンボール箱を持ち帰りやすいのですが、生鮮食品が入っていた箱なども入っているので、中に入れるものによっては注意が必要だと思います。例えば洋服を入れたい場合。ダンボール箱に野菜の水分がついている場合もありますし、万が一虫が入っていた場合は大変です。スーパーでダンボール箱をもらう場合には、中に入れるものは『洗えるもの』にしておいたほうが良いかと思います。

 

ドラッグストア……

ドラッグストアには大きなダンボール箱が多かった印象です。犬用のトイレシートをいれていた箱やおむつの箱など、「大物をいれるのによさそう」というダンボール箱が見つかりました。ダンボールは、通販をした時に送られてきたりしますが、なかなか120サイズを超えるダンボール箱は送られてこないので、今後、大きなダンボール箱が欲しくなったときはドラッグストアだなと思いました。ドラッグストアにある商品は衛生的なものを入れている場合が多いので、ダンボールもきれいでしたよ!

 

家電量販店……

家電量販店はダンボールが見えるところに置いていないので、店員さんに勇気を出して聞かなければなりませんでした。「ダンボールが欲しいのですが……!」と聞くと、「昨日、回収してもらったばかりなので、ほとんどないんですよ~」と店員さん。

家電量販店では特定の曜日に業者さんが回収に来ているらしく、曜日によってはダンボール箱が全然ないのだそうです。ダンボール箱が欲しい場合は事前に電話をかけて、何曜日に取りに行くのがベストなのか教えてもらえばよかった……と思いました。

家電量販店を見渡してみると、電子レンジや加湿器などが並んでおり、「この箱だったら緩衝材も一緒にもらえば重いものも運べたかもなあ」なんて思いました。家電量販店のダンボール箱はほとんどが家電製品のものなので、丈夫で安全に商品を運べるダンボールが揃っている印象です。

〇厚手のダンボールを購入することに

ダンボール箱をもらうことを諦めた私は、ダンボール箱を購入することに決めました。

お店からもらってくる場合、ダンボール箱の大きさや厚みを指定することはできませんが、購入するのならイメージにぴったりなダンボール箱が見つかりそうです!

早速、大手通販サイト・楽天で『ダンボール箱』を検索すると4万件以上のダンボール箱が検索結果に出てきました。

通販で購入する場合、膨大な商品が出てくるので、その中からイメージにぴったりのダンボール箱を見つけることが大切です。

ダンボール会社の方も、素人の私のような購入者が商品を見つけやすいように、商品にタグをつけてくれているので、迷った時には『ダンボール』だけで検索するのではなく、インターネットの検索窓のように『ダンボール ○○』とさらに条件を入れてみると良いですよ!

例えば、『ダンボール 80サイズ』とサイズ感を入れてみたり、『ダンボール 丈夫』と入れてみたり、『ダンボール 厚手』とダイレクトに入れてみると、そのタグがつけられたダンボール箱が出てきます。

私が今回狙っているのは厚手のダンボール箱だったので、『厚手 ダンボール箱』で検索。すると、こんなダンボール箱が出てきました。

https://item.rakuten.co.jp/auc-lalachyan/dc106003/

『重梱包や海外引っ越し、海外宅配に

宅配100サイズ 厚手 ダブルダンボール 7W ばら売り 重梱包 海外発送』

340円(送料900円)

レビュー評価平均★5

『海外に荷物を送る際には、乱暴に扱われることも多いので、丈夫なダブルダンボールは重宝します。今回も10kg弱のものを入れて送りましたが、先方から、”I received … today safe and sound. Thank you for the very, very thoughtful package. “との御礼をいただきました』

 

『海外発送用に厚めのダンボールを探しておりましたが、ばら売りしてくれる業者はあまりいないのでとても助かりました。

発送もとても早く、ダンボール自体も普通のものよりしっかりしていて文句なしです。追加注文してしまいました』

 

このダンボール箱の商品説明を見てみると、こちらのダンボール箱は『厚みのあるダブル』で作られていると書かれていました。

ダンボールには厚みのあるダブルと普通の厚さのシングルと、大きく2つの生地があるとのこと。シングルは軽くて薄いので、強度がないと思われがちだけれど、国内の宅配や引っ越しには十分な強度があるのだそう。ダブルはとても頑丈な梱包におすすめで、海外引っ越しや国際宅配などに使われるのだそうです。

 

サイズ(内寸):430mm×310mm×210mm(h)

底面の大きさ:430mm×310mm

素材:K5Wダブル

生地の厚さ:約7mm

1枚の重さ:約700g

 

商品説明欄に書いてあったこの『K5W ダブル』の文字。これが『厚手のダンボール箱』の証拠なのかも……??

〇『K5W』の謎を解こう

素材に書かれていた『K5W』の文字。これはこの会社だけのものなのかと思いきや、ほかのダンボール箱の素材の欄にも『K5AF』とか『K5CF』などの文字を見つけました。

この『ダンボールの厚み/素材』はダンボール業界で誰もが使っている言葉なのだそう。

その読み解き方は以下のようになっていました。

 

  • ダンボールの呼び方

 

ダンボールの素材の表し方は、『表ライナー・中芯・裏ライナー・ダンボールの厚み』となっています。

ダンボール箱を横から見ると、ナミナミになっている厚紙をオモテとウラの厚紙が挟んでいるようになっています。このオモテの紙が表ライナー、ウラの紙が裏ライナー、そしてナミナミの厚紙を中芯と呼びます。そしてダンボールの厚みのことはフルートと呼びます。

『K5W』というのは、本当は『表と裏のライナーをK5という素材で作っていますよ。中芯は標準サイズの120gなので省略しますね。厚みはWフルートで作っているので、本当はWFと表記しなくちゃいけないのですが、これも省略しますね』という意味が込められているのだそう。

『書かなくても分かることは省略してもいい』というのがダンボール業界のなかで暗黙の了解となっているみたいです。まるで女子高生の略語のようですね!

  • ライナーの種類

 

話を戻して、『K5』という言葉に戻りましょう。これは、Kという紙質のライナーで重さが5のものだということです。

ライナーの紙質には以下の種類があります。

 

Kライナー……クラフトライナー (古紙含有率 50%以上)

Cライナー……ジュートライナー(古紙含有率 90%以上)

Dライナー……ジュートライナー(古紙含有率100%)

 

日本ではダンボール箱は95%以上がリサイクルされます。そして、また新たなダンボール箱に生まれ変わります。

Kライナーというのは、もともとはバージンパルプ100%で作られており、もっとも高級な紙でした。今では製紙の抄造技術が進歩したので古紙を含んでいますが、いまでも表面の印刷に最適なグレードの高い紙となっています。反対にDライナーは古紙含有率100%ですから、表面はざらざらしています。そのかわり、安いので、今でも用途に応じてKライナーが使われたり、Dライナーが使われたりするのだそう。

Kの後ろについた『5』という文字は紙の重さを表したもの。

重さは厚みに直結します。厚ければ厚いほど紙が硬くなり、重くなるのです。

ですから、より厚手のダンボール箱が欲しい場合は、この重さが重いものを選んだほうがよいということになります。

斤量は正式には 【g/㎡】 と表記しますが、日本でダンボールの歴史がはじまった1909年に、日本の重さの基準がgではなく、尺貫法の匁(もんめ)で表されていたため、いまももんめの数字で呼びます。1もんめの重さは5円玉の重さです。

 

4匁(もんめ)=130g/㎡ 、5匁(もんめ)=170~180g/㎡ 、6匁(もんめ)=220g/㎡ 、7匁(もんめ)=280g/㎡

 

現在はC5<C6<K5<K6<K7といったライナーが使われています。右にいけばいくほど、強度が強く、価格も高くなるそうです。

 

C5……古紙含有率90%。洋服などの軽いものの梱包用のダンボールのほか、ダンボール内の仕切りやパットにも利用されます。

C6……C5より強度が強くなるものの、最近は需要が減っているため、K5で代用されることが多いです。

K5……よく使われるのがこのK5ライナー。壊れやすいものを梱包するのに適しているだけではなく、Kライナーなので、表面の印刷がキレイに仕上がります。

K6……強度を必要とするダンボール箱に使われます。荷物を積み上げたときに、天面が潰れにくいので、ミカン箱以外の特殊な形のダンボール箱に適しています。

K7……海外輸出向けや重量のあるものに使用されます。

 

  • 省略されがちな中芯

 

中芯の素材は省略されることが多いのですが、それは中芯に使用する紙が通常115~125g/㎡のものを使うため。

その斤量のものの場合は、省略されちゃうのです。

とはいえ、中芯の重さには以下の種類があります。

 

120g/㎡、160g/㎡、180g/㎡、強化180g/㎡、強化200g/㎡

 

「強化」というのは、同じ重さですが、特殊な薬剤で硬くしたものを指します。

厚手のダンボール箱には、その耐久力を高めるために強化芯が使われることも多いです。

中芯だけを強くしても、紙が弱い場合は折れてしまったり、突き出てしまったり、ぼこぼこしてしまうので、製紙会社の方も慎重に中芯の素材を選んでいます。そのため、強化芯200gが使われていたら、厚みのあるダンボール箱なんだなと想像できますね!

 

  • フルートの種類

 

フルートはダンボール箱の厚みなので、厚手のダンボール箱が欲しい場合は、まずこのフルートを参考にしましょう!

 

~日本でよく使われるフルート~

 

Aフルート……日本でスタンダードなフルート。シートの厚さは5㎜。30cm内になみ模様が34±2個になるものとされています(前後2個までの誤差はOK)。強度があるので、流通しているさまざまなダンボールに使われています。スーパーでよく見かける厚みです。

 

Bフルート……Aフルートより薄く、切れ込みや折り込みを入れることができます。小さくて重さがないものや内装箱を梱包するときに役立ちます。厚みは2.5~2.8mm、30cmあたりのなみ模様の数が50±2個になるものとなっています。パソコンの緩衝材にも使われます。

 

Cフルート……欧米のほか世界のほとんどの国ではこちらが主流となっているフルート。Aフルートよりも20%ほど薄く、ナミナミが細かくなっています。厚さは約3.5~3.8mm、30cm内になみ模様が40±2個になるものが当てはまります。通販で購入した際、「思ったより薄い」と言われやすいのがこのCフルート。

 

Wフルート……Wフルートとはダブルのフルートのこと。AフルートとBフルートを貼り合わせたものなので、丈夫で分厚く、重さもあります。AフルートとBフルートを合わせて8mmになるものになります。主に海外輸出用に使われます。

 

Eフルート……Eフルートはとっても薄く、厚さ1.10~1.15mm、30cm内になみ模様がおよそ95±5個と定められています。触った感じは厚紙のようですが、ちゃんと中しんがあります。

 

日本ではAフルートが主流なので、スーパーで山積みされているダンボール箱はほとんどがAフルートのダンボール箱です。一般的な厚みはAフルート、と覚えておくと、通販で「Cフル―ト」と書いてあった時に「普通のダンボール箱より20%薄いのか」とイメージしやすいと思いますよ!

また、WフルートはAフルートとBフルートを貼り合わせたものなので、厚みもぐっと増すことが分かりますね!海外輸出用というのも納得です。

〇さいごに

無事、ダンベルを運ぶ用のダンボール箱を購入することができました!

早速Wフルートのダンボール箱に入れて送ると、数日後に「良いダンボール箱だなあ。お母さんが気に入ってた」とダンベルの感想そっちのけのメールが届きました。

皆さんも、「これは頑丈なダンボール箱で送りたい!」というときには、ダンボール箱の素材をたしかめたり、『海外輸出用』と書かれたダンボール箱を購入してみてくださいね!