「ああ、大きいダンボールハウスが欲しいなぁ……」
そう考えたことはありませんか?
私はあります。
例えば、子供を連れていったおもちゃ売り場で、子供向けのダンボールハウスを見た時。
「こういうの、大人用の大きいやつもあればいいのに」
なんて、溜め息をもらしてしまいます。
それというのも、ひとえにプライベート空間が欲しいから!
こたつに入って静かに本を読もうとしても、すぐ隣りで旦那がテレビを観ながらゲラゲラ笑っていて、ちっとも集中できない。
パソコンで作業をしようとしていても、子供がうろうろ歩き回って気になる。
飼い猫は私の顔を見ればニャーと鳴き、たいして腹も減っていないくせに、エサをねだってくる。
妻であり母であり飼い主でもある私に、プライベートやプライバシーなんかは、存在しないに等しいのです!
それらの要因からくるストレスを手軽に緩和してくれそうなのが、件のダンボールハウス。
しかしおもちゃ売り場をいくら探せども、大人用の大きいダンボールハウスは売っていませんでした。
ホームセンターにも、ディスカウントストアにも行きました。
けれども結果は同じです。
いったいどうしたら良いのでしょう。
答えは簡単です。
売っていないのならば、自作すればいいのです!
ずぼらな私にとって、ものすごく面倒くさいことだけど……!
先人たちに学ぶ、大きいダンボールハウスの作り方
動画と同じ、大きいダンボールハウスに必要な材料
大きいダンボールハウス作りに使う道具
大きいダンボールハウスの作り方
さいごに……
【先人たちに学ぶ、大きいダンボールハウスの作り方】
困った時は、ネットサーフィンに限ります。
大人用の大きいダンボールハウスの作り方を一心不乱に探しましたが、出てくるものの大半は、子供向けの大きめのダンボールハウスばかり。
私のようなおおきなおともだち向けの作品なんて、ちっとも見つかりません。
そんな中、唯一YouTubeで見つけました。
・超巨大!ダンボールハウスを作って可愛くデコってみた!【uni】/ボンボンTV
こちらの動画では、かわいらしい女の子2人が、これまたかわいらしい巨大ダンボールハウスを作っていらっしゃいます。
しかしながら、設計や材料について、詳しく触れられていませんでしたので、何度も動画を観て、私なりに分析してみました。
動画4分19秒以降のデコレーション等は省略して、ダンボールハウスそのものの作り方だけを考察していきます。
また、製作効率を考えて、動画とちょっと順序が違ったりもしますので、この記事と動画の両方を参考にしてダンボールハウスを作ろうとお考えの方は、お気をつけください。
【動画と同じ、大きいダンボールハウスに必要な材料】
・厚めのダンボールシート(ダンボール板)……12枚
動画内の女の子の身長と、使われているダンボールシートを比較して推察したところ、その大きさはおよそベニヤ板サイズ。
厚みは女の子の小指ほどありましたので、かなり厚手のものを使っているようです。
以上をふまえ、動画内で使われているものに近いであろうダンボールシートが、こちらです↓↓↓
サイズ180cm × 90cm、厚さ8mmのダンボールシートです。
かなり大きいですね。
価格は12枚入りで、9132円。
これはなかなかのお値段です……。
ただ、こちらの商品は「学校・法人・個人事業主限定販売」と書かれていました。
購入する手段のない方は、他の商品を選ぶ必要がありそうです。
同じサイズで、厚さ5mmのものでしたら、アイリスオーヤマから販売されていました。
型番はM-DS1890C ( MDS1890C )です。
こちらはお店によって価格にバラつきがあり、また送料もかなり違いますので、上記の型番で検索して、お得な所で買うのがベターです。
厚みが5mmと、大きいダンボールハウスを作るには少し心もとないため、できればスプレーのりなどで2枚のシートを接着して、ニコイチで製作した方がいいかもしれません。
【大きいダンボールハウス作りに使う道具】
・マスキングテープ(仮どめ用)
・カッターナイフ
・できるだけ長いものさし(金属製がベター)
・ペン
金属製のものさしを推奨する理由は、カッターナイフで切る際のガイドに使えるからです。
プラスチックのものさしでやると、力を込めて引くカッターの刃で、はからずもものさし自体を削ってしまうおそれがあります。
【大きいダンボールハウスの作り方】
① まずはどの部位にダンボールシートを何枚、どちら向きで使うのか、確認していきましょう。
・床……2枚(横向き)
・横の壁……1面につき2枚(横向き)、合計4枚
・屋根……2枚(横向き)
・正面扉側……2枚(縦向き。扉は観音開き式)
・背面……2枚(縦向き)
このダンボールハウスの組み立て方は、「差し込み式」というのでしょうか。
ガムテープ等を使用せず、天井や壁、床、おのおの凹部位(穴、差し込み口)に凸部位を差し込むタイプです。
文字で見てもよく分からないと思いますので、完成図を描いてみました。
完成形が分かれば、いくらかイメージが湧きやすいかと思います。
ちなみに、ダンボールシートには裏と表があります。
うっすらとしましま模様が浮かんでいる面が裏ですので、そちらが内側になるように製作していきます。
仕上がりの外観をできるだけ綺麗にするために、マスキングテープを貼ったり、ペンで切り取り線を書くのも、裏面にしましょう。
② 横の壁を製作しましょう。
まずは2枚のダンボールシートの長辺同士を、マスキングテープで連結します。
しましま模様が見える裏面をとめるようにしてください。
2枚のダンボールシートを連結できたら、上の短辺から30cmの位置に線を引き、切り落としましょう。
しましま模様と平行に切るため、比較的楽に刃が通るはずです。
いきなり30cm × 180cmもの大きな端材が出てしまい、もったいないと感じるかもしれませんが、素敵な三角屋根を乗せるためには、仕方がないのです……。
端材は③で使いますので、とっておきましょう。
また、 端材の短辺は30cmぴったりの定規代わりにもなりますので、このすぐあとに出てくる凹部分(差し込み口)の30cmをマーキングする時に使うと便利ですよ。
さて次に、
・扉をつける正面
・背面
それぞれの凸部位を差し込むための、凹部位を作っておきます。
文字では分かりづらいので、先に下の図を見て、イメージしてみてくださいね!
まずは左右の短辺の、端から10cmの位置に、線を引いていきます。
そしてその線の上に、図に赤く描かれた凸部位をマーキングします。
・上から20cmの位置よりスタートして、30cmの長さ
・下から20cmの位置よりスタートして、30cmの長さ
左右合わせて4ヶ所です。
次はマーキングした位置に、ダンボールシートの厚さと同じ程度(今回は8mm想定で図を作製しています)の、細い長方形の穴、「差し込み口」を作ります。
ただ切り込み線を入れただけでは凸部位が通らないので、差し込み口の形成というひと手間が重要です。
上にある図と同じ状態のものが2組できたら、横の壁の準備は完了です。
③ ②で切り落としたダンボールシートの端材を、凸部位の型紙として利用します。
凸部位は短辺10cm × 長辺30cmで、2辺の角を落とした、潰れたかまぼこのような形です。
④ 正面と背面の製作、第一段階です。
縦に使う正面2枚、背面2枚、合計4枚のダンボールシートのうち、1枚をテンプレートとして先に作ります。
ちょっと分かりづらいので、先に図解しておきます。
まず、屋根を乗せる部分を下書きしていきましょう。
・ 長辺の端から10cmを測り、ペンで長~く「線A」を引きます。
↓
・ 線Aの、上から30cmの所に、印をつけます(図の☆印)。
↓
・ 印から反対の角に向かって、線を引きます。
・ 頂点から30cmの所に、③で作った凸部位の型紙を置き、ペンでなぞって型を取ります。
次は横の壁との接合部です。
・ 下側短辺の、端から1cmを測り、ペンで長~く「線B」を引きます。
こちらはのちほど床に差し込む部分になります。
↓
・線Aの下側から、21cm(線Bの分の1cm+20cm)の位置に、③で作った凸部位の型紙を置き、ペンでなぞって型を取ります。
↓
・ 線Aの上側から50cmの位置に、③で作った凸部位の型紙を置き、ペンでなぞって型を取ります。
↓
・上側に書いた斜辺の、☆印とは反対の角から30cmの位置に、③で作った凸部位の型紙を置き、ペンでなぞって型を取ります。
↓
下書きに沿って、いらない部分(図の薄い青の部分)をカットします。
⑤ ④で作った1枚をテンプレートにして、他3枚を製作していきます。
ダンボールシートにテンプレートを重ねて、周囲をペンでなぞれば、簡単に型取りができます。
先述したように、ダンボールシートには裏表があります。
1枚はテンプレートを重ねて同じように、もう2枚はテンプレートをひっくり返して型取りします。
下書きできたら、いらない部分をカットしてください。
⑥ 前面、扉を作製します。
使用するのは、④で作製した2枚です。
左右対称になるように、並べて置きましょう。
まずは床へ差し込む部位から、下書きしていきます。
④で書いておいた線B(下側から1cmの線)と垂直に交わる線を、外側から20cmの位置と、内側から40cmの位置に引きます。
線が引けたら、そこまでの部分をカットします。
次に、扉の下書きをします。
先ほどカットした、内側から40cmの位置の延長線上が扉になります。
扉の形や大きさ、窓の有無は、お好みでアレンジして大丈夫です。
唯一気をつけるのが、扉の折れるつなぎ目部分。
内側から40cmの縦線に、手の平ひとつ分程度~のスペースを2ヶ所とっておいてください。
扉の下書きができたら、カッターナイフで切っていきましょう。
ダンボール同士の摩擦を防ぎ、開閉をスムーズにするために、ダンボールシートの厚さと同じ程度の溝を作っていくイメージです。
⑦ ダンボールハウスの床を作ります。
床は正面扉側の凸部位と、背面の壁の受け側となります。
床材として、ダンボールシートを2枚使用。
裏側を布テープでぴったり貼り合わせれば、短辺90cm ×2 = 180cm、長辺180cmの、正方形の床材ができます。
次に、ダンボールシートの端から10cmほど内側に、ペンでまっすぐ線を引きましょう。
その線に合わせて、
・正面扉側は端から30cmの位置から、20cmの長さの線を、左右両方に
・背面側は10cmの位置から、反対の端10cmの位置まで
合計3ヶ所、差し込み口の印をつけます。
下書きできたら、カッターナイフで切り込みを入れていきます。
⑧ 部品作りもいよいよ最後、屋根です。
2枚のダンボールシートが接する屋根の頂点は、テープでとめてもとめなくても大丈夫です。
まず、短辺の端から10cmの位置に、線を引いて下書きします。
次に、その線に合わせて端から30cmの位置に、30cmの長さの差し込み口用の目印をつけます。
幅90cmですので、どちら側から測っても同じです。
下書きができたら、カッターナイフで切り込みを入れましょう。
あとはお好みで天窓を製作してください。
形や配置は自由です。
ダンボールハウスの中はどうしても暗く、風通しが悪くなってしまうため、開閉式の天窓があると便利かもしれません。
────お疲れ様でした。
これで、材料のカットの工程は終了です!
⑨ いよいよ全工程の最後を飾る、組み立て作業です。
ここまで来ればもう、何も説明せずとも、簡単に組み立てられるでしょう。
ダンボールシートに開けた差し込み口に、凸部位をはめていってください。
動画では、拳で軽くドンドンと叩いたりして、奥まで差し込んでいました。
組み立てで分からない組み立て箇所があれば、①の全体図をご参考になさってみてください。
【さいごに……】
大きいダンボールハウスの製作手順をここまでお読みになられて、皆様はどう思われたでしょうか。
私の感想は────「動画だけを参考に作るのなんて、ムリ!!」でした。
このコラムを書く際、動画のダンボールハウスを頭の中で設計するのが難しかったため、動画を何度も観直し、図に描き起こしながら進めました。
しかしいざ描いてみると、コッチが違うアッチが違う……と、やたらと描き直しが多かったのです。
ダンボールハウスを作りたいなぁと思った時、動画を観る方が手っ取り早く作れそうに感じますが、それなりに詳しく工程が説明されているブログなどを読んだ方が、結果的に短時間で作れると思います。
そして、全工程の大半を占め、大変だったのが、作り方①~⑧の、設計と下書きと型取りです。
これがまた、めちゃくちゃ面倒くさいのです!
今回は「大きいダンボールハウス」という縛りがあり、そんな製品は簡単に手に入らないため、自作することをおすすめしましたが、子供向けのダンボールハウスが欲しい場合は、既製品の購入を心からおすすめします。
既製品ならば、わずらわしい①~⑧の工程をすっ飛ばして、ちょっと楽しい⑨の工程からいきなり始められますので。
さらに申し上げるなら、当サイトのユニコーンハウスをご購入いただければ、ペンキで色を塗ったりリメイクシートを貼ったりという、デコレーションの工程すらもいりません!
ただ組み立てるだけで、素敵なダンボールハウスが我が家に爆誕します!
ぜひぜひ、ご検討くださいませ。